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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第1章 異世界の法則
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第一異世界人

しばらく森を歩く。【警戒】を絶えず行う事で、最初のウサギ以来戦闘は避けている。

倒したウサギは、容れるものがないため、角を握って持ち歩いている。


(そう言えば、結構歩いているがあんまり疲れてねぇな。)


元の世界で俺は、スポーツ選手ほどではないがある程度は運動してきた。それでも、こんな長時間歩き続けた事はなかった。


(あの戦闘でもそうだ。)


女神が言っていた体力補助は、地味ながらも確かに効いている。

突然、【警戒】が異常を知らせる。


(デカイ気配。)


道中、ランクが上がった【警戒】がまだ見ぬ敵対者の強さを知らせる。

物音と共に姿を現したのは、俺より二回りはデカイ熊だった。


(これでも、喰らってろ。)


ウサギを熊の足元に投げつけ、ジリジリと後ろに下がる。熊はウサギよりも俺に興味を持ったようだ。


(マジかよ。)


徐々に殺気がこの場を満たしていく。どうこの状況を回避するか頭を働かせながら、俺は熊とにらみあう。

まさにそのタイミングで、


シュッ


風切り音と共に1本の矢が熊に刺さる。

急所を射たれ、倒れる熊。急な出来事に呆然する俺。


「おーい。大丈夫かー。」


矢が飛んできた方向から、男が一人声をかけながらやってくる。

探し歩いた人間は、向こうから近付いてきた。




「オレは、ユース。ユース・ベルマだ。近くの町で、防人(さきもり)をしている。」


命の恩人は、安心感満点の笑顔でそう言った。


(人の好かれるってのは、こういう奴を言うんだよな。)


「本当に大丈夫か?」

「えぇ、大丈夫です。ありがとうございます。」


再度訊いてくるユースに無事を伝える。


「見かけない顔だな。どこの誰だ?」


問いかけに対し、


「俺は、ガイ・アイオイ。信じられないかもしれませんが。」


と、前置きして全てを話す。

この人には、話しても大丈夫だと思わせる何かがあった。






「お前が伝説の来訪者(トラベラー)か。」


ユースの町に向かいながら、俺の話はあっさり受け入れられた。


「信じられたのが意外か?」


顔に出てたのか、ユースが話しかけてくる。


「それは、防人(さきもり)技能(アビリティ)に【真偽】があるからだ。」


天職(ジョブ)にも技能(アビリティ)があり、その職務を助けるのだそうだ。逆に一定の能力(スキル)を習得していないと、天職(ジョブ)を得られないらしい。


で、【真偽】と言うのは、相手の発言が嘘か真実か判別するそうだ。


「嘘の度合いまでは、分からないけどな。」


と言い、また笑った。


「この世界について、教えて下さい。」

「良いぞ。」


こんなやり取りをしたのは、町の入り口に着いた時だった。


「ようこそ。リーンリットへ。」

能力(スキル)一覧


天職(ジョブ):なし

加護(ギフト)九十九神(つくもがみ) 技能(アビリティ):なし

能力(スキル):警戒B(UP)、回避C、幸運D

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