大打ち上げ会
「乾杯!」
「あの“百鬼夜行”に!」
「俺、あいつ苦手なんだよな……。」
「じゃあ、我らが女神に!」
「とにかく乾杯!」
マシボノのあちこちで乾杯が行われ、談笑する声、グラスがぶつかる音が場を満たす。
「ほらほらどいた!こちら医師団だ!アルコール中毒の患者を回収する!どいたどいた!」
「街中で何騒いでいる!喧嘩したいなら闘技場に行け!……連行しろ。」
人が集まればトラブルも当然起こる。
スノーの部下である医師団やタケル配下のマシボノ兵が、事態を治めるために動き回っている。
ユウシの仲間達もこれに協力し、痴話喧嘩などの仲裁にあたっている。
「ロイツ方面転移します!定員あと三人!」
「シャッガイ行ける人いませんか!?」
「クウジ、現着であります。ロイツよりの客人到着であります。フタマルサンマルにシャッガイに出発するであります。」
「あ!乗ります!」
港では転移魔法使いの冒険者が依頼で送迎し、急造のヘリポートではクウジが各首都へのピストン空輸を行っている。
勿論自前の船でやって来る人もいて、案内人の指示の元行き来している。
「いやー、賑わってるね!」
「本当。人の活気が感じられていいわね。」
俺は交流会のメンツと各国の要人をゴテンに招いて飲み食いしている。
ゴテンはマシボノ上空に停泊中で、俺達のいるベランダには下の喧騒が伝わってくる。
「しかし、こんなデカイ事をする男だとは初めて会った時は気付かなかったぞ。」
「こっちもバカな貴族の坊主だと思っていたからおあいこだ、ギル。」
「“龍殺し”の一件ね。あれが有ったから、私も女王としていられるのね。」
「こちらとしても王家との繋がりは大変助かってますよ。商業に手を出せたのは、先王陛下との取引が有ったからですし。」
シャッガイは俺にとって、始まりの象徴だ。
いくらか精算したが、まだまだ借りはある。
「改めて見ると権力者とのつてに事欠かないよな、ガイって。」
「クーデターを起こし俺様を王に据え、鍛冶の師の故郷で長と接点を持ち、後継問題に揺れる王家に手を貸し、腐敗国家を単独で打ちのめし、行き場の無い民族に受け皿を提供する。」
「ホント、バケモンかよ!国の中枢から支持が集まるはずだぜ。」
「言いすぎだ。意図してやって来た訳じゃない。」
成り行きとは怖い物だと常々思っている。
「その分、一般の評価は落ちているからな。富を独占し、力で抑える巨怪ってな。」
「そんな事気に止めるガイではなかろう?このわたしの耳には、むしろ公明正大と言う評価が入って来ているさ。」
「yes.youには社交性が足りないだけよ。」
「ま、ガイって暗躍タイプだからね。輝かしい舞台はあたしのような華やかな人に任せれば良いし!」
「アリスは華やかと言うより騒がしいが相応しいと思うのだが?」
「何を!」
こうしてまた、笑いで包まれる。
俺はその中央に立つより、側でその空気を感じる事の方が好きだ。
「それで、嫁はいつとるのだ?龍人が嫌いでないなら、姪に年頃がいるんだ。会ってみないか?」
「いや、それは……。」
「魔族にもガイに関心があるgirlがいるのよ。」
「そろそろ年貢を納めろよ、ガイ。」
「シャッガイの令嬢を悉く袖にしたガイは、一体どんな娘を迎えるのかな?」
今回ばかりは逃がさないと言う雰囲気の中、俺に詰め寄るシャリーナとジェシー。
「ご主人様。お客様です。お通ししてもよろしいでしょうか?」
「かまわない。だが、誰だ?」
助かったとばかりに即決するが、とんでもない相手だとすぐ知る事になる。
能力一覧
天職:根源 ザ・クリエイター 技能:創造C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:神算鬼謀A、 神の寵児B、 縦横無尽B、武士S(max)、射手S(max)、覇気A、隠密A、罠師D、エンチャンターS(max)、鋼の心S(max)、応急措置S(max)、薬物耐性A、千里眼B、漁師D、教師D




