デモ隊
アイリ一派を警戒していても、俺達の暮らしは基本変わらない。
相手に動きがない以上、捜索手段のない人は今まで通りに過ごすしかない。
「見つけたぞ!ガイ・アイオイ!」
冒険者として依頼をこなしていると、突然呼び止められる。
「お前に言いたい事が山程ある!大人しく降りてこい!」
空飛ぶ俺が声の方を見る。
地上には、数十の人々。
その全員が来訪者だと、【神算鬼謀】が告げる。
「何の用ですか?俺は急いでいるのですが。」
「単刀直入に言おう!不当に我らから奪った富を返して貰う!」
「「「「そうだ!そうだ!」」」」
先頭の一人に同調して声を上げる大勢。
「不当に奪った?訳が分かりません。」
「分からないか?ならば言ってやろう!お前がこれまで稼いできた元は、地球の知識だな!?」
「違うとは言わせないぞ!」
「さっさと白状しろ!」
周りがうるさい。
それでも、【鋼の心】の俺は冷静に対応する。
「そうですよ。それが何か?」
「それが何か……だと!俺達の利益と権利を潰しておいて、何だその言いぐさは!」
「「「「そうだ!そうだ!」」」」
ここにきて、俺は彼らの目的をようやく察する。
「なるほど。貴方達が地球の知識で大儲けするはずが、俺に先を越されて出来なかったと。だから、本当は自分達がこの利益を得るはずだったと。」
「そうだ!分かったら、その権利を我々に返せ!」
「「「「そうだ!そうだ!」」」」
俺はしばらく頷いて見せ、
「ふざけるな。」
と、言ってやった。
「何だと!それはこっちの台詞だ!」
「お前のせいで、俺達がどれ程苦労したか!」
「慰謝料も欲しいくらいなんだぞ!」
全く勝手な言い分である。
「じゃあ聞くが、この中に王家や族長にコネがある奴はいるか?商品を大量生産出来る環境を持っている奴は?呼ばれれば直ぐに行けるだけの移動手段を持っている奴は?」
誰も答えない。
「ほら見たことか。この現状は俺だから成し遂げられた事。他の誰かじゃ、こうはいかなかっただろう。」
「話題をすり替えるな!お前は地球の知識を使って、利益を独占したんだぞ!」
「それがどうした?ここが地球じゃないのは、そちらも承知だろ?弱肉強食の早い者勝ち。負けたくなければ、戦うしかない。」
彼らは一人残らず悔しそうに、しかし諦める様子はない。
(長引きそうだな。)
下手にこちらが手を出す、または手を引けば、彼らは根も葉もない噂を撒き散らすに違いない。
そう、彼らが手の者である事は始めから分かっていた。
「面白そうな話をしているね。ボクも混ぜてよ♪」
そして、場はかき回される。
能力一覧
天職:根源 ザ・クリエイター 技能:創造C(up)
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:神算鬼謀B、 神の寵児C、 縦横無尽C、武士S(max)、射手S(max)、覇気A、隠密A、罠師D、エンチャンターS(max)、鋼の心S(max)、応急措置S(max)、薬物耐性A、千里眼B、漁師D、教師D




