奪還作戦 粗筋
アイリとその手下が去り、場には俺とユウシ達。
「あの……、ユウシ様。お体の方は?」
「大丈夫!どこにも怪我は無いよ。」
心配そうな表現が一転、安心の笑みに変わる。
「ではお義兄様。説明して頂きましょうか。」
「全て、話して貰います!」
そして、こっちには怒気を隠さない。
「分かってる。順番に行こう。」
俺がホタルから占いを聞き、準備を整えユウシ達を探しに出るところから話す。
ユウシ達は、それを静かに聞いている。
「で、まず第一にやるべきは、ユウシとアイリを引き離す事だった。【魅了】は距離が離れると効果が薄れるからな。」
「それでぼくを挑発したんですね。」
「【魅了】にかかり過ぎると手遅れだからな。そしたら殺すしかなかった。」
あっさり言う俺に、引くユウシ達。
油断を誘う為に、実行は一人。
失敗すれば、警戒され最終局面まで会う事はない。
そんな中、強大な戦力であるユウシを渡したままにするのは、どう転んでもまずい。
俺は、そう説明する。
「そんな訳で、ユウシと一戦交える事になるんだが、殺さない為の条件がいくつかあった。」
「九十九神ですね。」
「あの女の介入でしょ。」
「まずユウシ様に自意識があるかどうかじゃないですか?」
「全て正解。だからまず、九十九神を使わない。そして、ユウシの九十九神を封印。そこでユウシの反応を見る。上手い具合にキレてくれたから説得で済むと思ったが、これだ。」
俺は折れた双剣を拾う。
「数打ちの剣か。何が劣らぬ剣だ。」
【魅了】の媒体となっていた剣だが、その魔力は欠片も残っていない。
後で融かして再利用する事になるだろう。
「それで!ここが一番大事です。」
「ユウシ様を倒した時の事ですよ!」
前置きが長すぎたようで、彼女達の我慢は限界まできていた。
「あの時、俺は光と音でお前達を怯ませた。それは分かるな?」
「いいから早く!」
「勿体つけないで下さい!」
「その間に俺は、スフィアをしまい、双剣を叩き折り、そして、ユウシに薬を盛った。」
「薬……ですか。」
「そう、麻痺させる薬だ。ユウシは倒れている間、体が動かせない状態だった。」
それを、あたかも切り殺したかのように思わせた。
「ぼくはあの時、意識はあったんだ。でも、体はちょっとすら動けなかった。」
「後はアイリを問い詰め、処分すれば終わりだったんだが。あの来訪者どもをどっから出したんやら。」
空間移動系のなにがしかではあるのだろう。
「殲滅するのは簡単だ。“破軍”で暴れれば良い。だがあの女の言う通り、護りながら戦うのは正直キツイ場面だった。なぜかユウシが復活しなかったら、俺はともかくお前達は終わっていただろうな。」
「え?あそこで効果が切れるよう調整したんじゃないんですか?」
彼女達全員がそう思っていたらしい。
能力一覧
天職:根源 ザ・クリエイター 技能:創造D
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:神算鬼謀B、 神の寵児C、 縦横無尽C、武士S(max)、射手S(max)、覇気A、隠密A、罠師D、エンチャンターS(max)、鋼の心S(max)、応急措置S(max)、薬物耐性A、千里眼B、漁師D、教師D




