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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第14章 世界を賭けて
259/302

素の実力

大剣と双剣が幾度もぶつかる。

ユウシの攻撃は俺にかすりもしないが、俺の攻撃もまたユウシには届かない。


「なんで。なんでなんだ!」

「なんでって聞かれてもな。」


派手さの無い剣撃の応酬のどこに疑問を持つのか、俺には分からない。


「片手で大剣を振り回している事か?それは、エンチャントで腕力その他を強化しているから。」

「違う。」

「攻撃が当たらない事か?それは、【神算鬼謀】で動きを読み、【縦横無尽】で安全な所に移動しているから。」

「違う!」

「なら何だ。俺は真剣に戦っているぞ?」

「なんで本気を出さない!」


ユウシは苛立ちを叩きつけるように言う。


「兄貴の本気がこんな物か!もっと圧倒的で、鋭くて、そして、そして……。」

「あー。それは買いかぶりだ。」

「謙遜はもういらない!」

「事実だ!」


俺の一喝に、動きが止まるユウシ。


「黙って聞け。敬ってくれるのは嬉しいが、俺の素の実力はこんな物だ。避けてかわして挑発して、出来た隙を突くぐらいが関の山。俺の凄さは全て九十九神による物だ。」

「じゃあ、今の兄貴を倒しても最強を名乗れないじゃないか!」


ユウシは悔しそうに吐き捨てる。

その様子に、


(話が出来ないくらい虜人形になると思ったが、強さへの執着(おもい)が上手く耐性と噛み合ったか。)


と思う。

この時期の少年の「強さ」への憧れは、何より強いと言う事だろう。


「そんなに本気が見たいなら、出させればいいだろ。」

「え?」

「俺に「使わなきゃヤバイ。」と思わせれば、九十九神を使わざるをえないだろう。」

「そっか。」

「勿論、全員でかかってきてかまわない。さあ、来い!」


俺の煽りが上手く働いたのか、先程よりは手強くなった。

それに加え、たたみかけるように仲間との連携攻撃が来る。


(動きが丸見え。まだ【神算鬼謀】を上回る攻撃は出来ないか。しかし、ユウシは単独で戦うより一団を率いた方が輝くな。)

「皆、兄貴はまだまだ余裕みたいだ。テンポ上げていくよ!」

「「「「「はい!」」」」」


優秀なパーティだ。

各人の役割を十全に行える位置取り。

互いの癖や隙をカバーし合う連携。

集団で戦う利点と欠点を十分に理解している。


「やるな、ユウシ。」

「まだまだこんな物じゃない!」


普段のユウシに戻ってきている。

だが、最後まで付き合ってやるつもりはない。


「それは……スフィア?」

「そうだ、よっと。」


真上に舞い上がるスフィア。


「閃光だ。直視するな!」


目で追っていた人達の視線が、ユウシの声にこちらに戻る。


「やるな。だが、本命はこっち。」


頭上の閃光に続けて、その場を支配する暴音。

俺が新たに出したスフィアによる物だ。

二つ合わせて、スタングレネード。

光と音に怯んだユウシに、俺は大剣を振り下ろす。

本年も、応援ありがとうございました。




能力(スキル)一覧


天職(ジョブ)根源(アルティメット) ザ・クリエイター 技能(アビリティ):創造D

加護(ギフト)九十九神(つくもがみ) 技能(アビリティ):人格投与S、擬人化S、具象化S

能力(スキル):神算鬼謀B、 神の寵児D、 縦横無尽D、武士S(max)、射手S(max)、覇気A、隠密A、罠師D、エンチャンターS(max)、鋼の心S(max)、応急措置S(max)、薬物耐性A、千里眼B、漁師D、教師D

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