偽弟子事件
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ある日、俺は組合からの情報を受け、ヴァーキナ国内の営業所で張り込みをしている。
(しかし、偽弟子か。)
何でも、俺の弟子を名乗る冒険者による恐喝が相次いでいるという。
それを受けて、本物にしろ偽物にしろ俺に始末をつけろと組合から要請が上がってきた。
(俺を騙る事が難しいから弟子の立場を使ったんだろうな。)
目撃情報によると、中年の男二人らしい。
「おう、俺達を誰だと思っている!あの“百鬼夜行”の弟子だぞ。これがどういう意味か分かるよな!?」
対象はいともあっさり釣れた。
“百鬼夜行”というのは、俺の二つ名。
戦争の時の「俺と九十九神、合わせて百人力」的な宣言から派生したようだ。
ともかく、愚かな狐に虎の姿を見せようとする前に、
「やっと見つけた!この偽物め!」
本物が登場した。
「ああん?俺達が偽物だと?」
「そうだ!先生の名前を勝手に使って、こっちは迷惑してるんだ!」
「意気がってんじゃねぇぞ、ガキども!」
「表出やがれ!俺達に逆らった事を後悔させてやる!」
「望むところよ!」
大人二人に対して、子供四人。
事情を知らない人達は、心配そうに様子をうかがっている。
舞台は町の外へ。
下手に器物を破損させて兵士に睨まれるのは、流石に勘弁らしい。
「中年二人。それでよく弟子を名乗ろうと思ったね。先生は技術書を配布しているけど、その読者を弟子とは認めていない。」
「先生の弟子は、わたし達三十一人の直弟子だけよ!」
「その全員がシャッガイの旧スラム地区出身の元孤児。大人が名乗れるはずがないんだよ、オッサン!」
「分かったか!偽弟子を廃業して二度と先生の名前を出すな!」
挑発に次ぐ挑発。
衆人環視の中、子供にここまで言われバカな大人は黙っていられない。
「この……、死ね!」
得物を手に襲いかかるが、弟子は全員ザンキ相手に武力を鍛えている。
突進するだけの大人など、敵ではない。
「ちっ、てめえらこそ偽物じゃないのか!」
「俺達というあからさまを潰して、美味い汁を吸うつもりだろ!」
往生際が悪い事に道連れを考えたようだが、
「だったらその子達の身分、あたしが保証するわ。」
「誰だ!」
そいつは空から格好つけて降り立つ。
魔法少女系のフリルドレスから、暖色のローブにコスチェン。
落ち着きを見せつつも目立つ事を忘れない装い。
「“真理の魔女”アリスティア・エメロード・エルダーウッド参上!」
場の視線全てがアリスに集まる。
「すっかり持ってかれたね♪」
「別にいいさ。これで事件は解決。見ろ、ジェシーの部下だ。当分偽弟子は出てこないだろう。」
俺は……俺達は、人混みを外れる。
「今回の件、お前の差し金か?ジョン。」
「まさか♪ボクがやるならもっとショボいかもっとド派手だよ。……あの女が元締めさ。」
それを最後にジョンの気配は完全に消える。
動きが見え始めた。
油断はできない。
能力一覧
天職:豪商 技能:神算鬼謀B、 黄金率A、 量産S(max)
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縦横無尽D、幸運S(max)、武士S(max)、射手S(max)、覇気A、隠密B、木工技師S(max)、料理人B、罠師D、鍛冶師A、エンチャンターS(max)、鋼の心B、魔具師S(max)、仕立て師A、薬師A、応急措置S(max)、薬物耐性A、千里眼B、漁師D、解体S(max)、教育A




