賢き者
アリスの根源が到達間近にして、行方不明になったらしい。
「もしかして、今の天職に思い入れがある?」
「え?」
ステラの質問にポカンとするアリス。
「根源に限らず、全ての天職は望まなければ発現しない。実力が十分なのに根源に成れないのは、あなたが根源より今の天職を気に入っているからかも。」
「むむむ。」
聞いて考え込むアリス。
「そんなに魔法少女が良いのかよ?」
「だって、特別って感じがするじゃない。」
個人的なこだわりがあるようだ。
俺を含め、全員がハテナ顔だが。
「えー!JK魔法少女ってありがちでしょ♪」
ここで空気を読まないのがジョンと言う男だ。
「ボディビルダーが魔法少女やる……なんてマンガがあるくらいなんだから、個性が欲しかったらせめて成人しないと♪」
「な!」
かつて俺に見舞った煽り術のライト版を、それから延々とアリスに聞かせるジョン。
「そんなに言うなら、良いわよ!魔法少女なんて辞めてやる!…………あ。」
無事、根源に成れたようだ。
「アリス。youの根源はどんなの?」
「えーっと、ザ・ワイズマンだって。」
「賢者か!スゲーな。」
タケルの称賛に対し、
「賢き者なんて、あたしの柄じゃないな。あたしの事は、“真理の魔女”と呼ぶが良いわ!」
アリスはドヤ顔で宣言する。
根源に至っても、アリスはアリスだ。
「魔法少女が魔女に。ふーん♪」
「何よ。」
「別にー♪」
ジョンはまだ、アリスをターゲットにしているようだ。
「とにかく、こうしてあたしも根源持ちの一員よ!何か祝ってくれても良いんじゃないの!?」
「じゃあ行くか、ガイん家。」
毎度の事ながら、何かある度にゴテン集合が当たり前になってきている。
「すまないが、このわたしは事務所を構える身。あまり長々と外出は出来ないのさ。」
「自分もデス。」
よくよく見れば、結構要職に就いているやつが多い。
大海賊団の船長から一大情報・宅配業のトップ、国際探偵や国際裁判官、そして俺自身は組合の総長だ。
その中、一際偉い立場の男が言う。
「部下が留守番してんだろ?だったら任せとけって。」
「タケル様のように丸投げされても、部下としては困りますけど。」
オチがついた所で、全員参加が決まった。
(こいつらの事だ。夜まで騒ぐだろうな。)
念のため、帰ったら泊まりの準備をしようと決めた。
能力一覧
天職:豪商 技能:神算鬼謀B、 黄金率A、 量産S(max)
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縦横無尽D、幸運S(max)、武士S(max)、射手S(max)、覇気A、隠密B、木工技師S(max)、料理人B、罠師D、鍛冶師A、エンチャンターS(max)、鋼の心B、魔具師S(max)、仕立て師A、薬師A、応急措置S(max)、薬物耐性A、千里眼B、漁師D、解体S(max)、教育A




