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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第13章 日常
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神々の語らい

「せやから、アリスが最強やで。」

「そんな事は無い!我らが主、ユウシこそ最上。アロンダイトも何かこの人形に言ってやれ!」


いつもは静寂に包まれる俺個人の作業部屋は、喧騒の渦に呑み込まれている。


「良いわ。九十九神が語る暴露トーク。世間を賑わす交流会(サークル)メンバーの素顔。良いわ!」

「でしょでしょでしょ!何でも聞いて。答えられるだけ答えるから!」


ちょうど良いから一斉メンテしようと集めた事を、少し後悔する。


「当主様。時間は有限でございます。」

「その通り。患者がドクター・スノーを待っているんです。」

「そうだな。始めるか。」


気持ちを立て直し、作業を始める。

メンテと言ってもそう難しい物ではない。

パッと状態を見るだけだ。

自己修復などのエンチャントがかかっているため、酷い損傷など付きはしないからだ。


「賑やかになったわねー。おばちゃん、楽しいの大好きよ。」

「これは騒がしいって言うんスよ。」

「だが、思えば私達“具足衆”とキャリーさん、そして、リブラとラニ。トラットリアにタタラもいたな。たったこれだけだったのだな。」


最初の町を出発した時の事だ。

確かに、増えたものだ。


「オイラは興味無いな。キャプテン達と海を進めれば満足さ。」

「「「自分で自分が最強だと思えれば十分。」って、旦那様が言ってた。」」

「判決。原告の発言は、全て主観に基づく物であり、拘束力は無い。」


トリトニック号は今、ゴテン内部にあるドックの中にある。

ゴテンに頼めば、間取りの変更から映像・音声のやり取りまで可能だ。


「ハジメ様が戦う相手は人の心なの。それはどんな敵より強くて怖いの。だから、ハジメ様は誰より強いの。」

「ちょっと待った!ホタルのヒロイン力を甘く見ない事ね。魔法バカの特急娘との女子力の差を思い知るが良いわ!」

「オウカ、その辺に。ホタル殿の良さは、キョウヤ殿が十分承知している。」


主自慢はまだ続いている。


(譲った九十九神にとって、今の主が一番。俺の言う事はあまり聞かないな。)


もう、させたいようにさせている。


「そんなに楽しいんですか?外って。」

「キヌは引きこもりだからな。景色が変わるぜ。」

「タタラもあまり違いがない。」

「それを言うなよ、トラットリア。」

「外のお話、この爺めにも聞かせて欲しいですな。」

「僕は、いらない。調薬出来れば、それで。」


「ヒマー、ヒマー。」

「確かに。最近退屈だな、キンコジ。」

「ボスにさー。農地買って貰おうぜー!」


「ゴテンが変わって、仕事の効率はいかがですか?」

「問題ありません、グリニッジさん。」

「そうですか。これからもお願いしますね、ビカさん。」


家政班の中でもグループが出来ているようで、かたまって話している。


「ほんと、壮観だね。個性も姿もてんでバラバラ。」

「お気楽ね、リブラ。」

「そりゃもちろん。皆、僕らの仲間だからね。」

「悪いが。俺は同胞以外を仲間と思っちゃいないぜ。」

「火の。口が過ぎるぞ。」

「良いよ。君らは特別だもんね。」


“破軍”はその輪の中で完結している。

その特性上、他と馴染めないのは仕方のない事かもしれない。


「良し、終わり。ゴテン、全館案内。」

「は~い。」


全ての九十九神をチェックし終えたと言うアナウンスを流す。

海賊達はトリトニック号に、他はクウジに誘導する。

その間、返すために九十九神を回収する。


「ガイ。さっき【看破】がランクアップした。」

「ほう。て事は【交渉術】と【計算】と合わせて……、」

「そう。【神算鬼謀】に進化した。」


俺はまた一つ人外に足を踏み入れた。

能力(スキル)一覧


天職(ジョブ):豪商 技能(アビリティ):神算鬼謀D(evol)、 黄金率A、 量産S(max)

加護(ギフト)九十九神(つくもがみ) 技能(アビリティ):人格投与S、擬人化S、具象化S

能力(スキル):縮地B、幸運S(max)、武士A、射手S(max)、覇気A、隠密C、木工技師S(max)、料理人B、罠設置A、悪路歩方B、鍛冶師A、エンチャンターS(max)、鋼の心B、魔具師S(max)、仕立て師A、薬師B、応急措置A、薬物耐性A、千里眼C、漁師D、解体A、教育B

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