ホブゴブリンを突破せよ
ゴブリン
・魔物
小鬼とも呼ばれる、矮小な魔物。
繁殖力が高く、巣を潰さないと際限なく出没する。
手先が器用で、様々な武器を使いこなす。
100は斬っただろう。
止まっているヤツは、まっすぐ近付いて斬る。
向かって来るヤツは、カウンター気味に斬る。
それを繰り返している。
(にしても、来訪者は別次元なんだな。)
既にいくつかのパーティは、体力が限界に近付き戦線を離脱。
気力体力を戻してから復帰する構えだ。
一方の俺は、まだ余裕がある。
と、ゴブリンを掻き分けて二回りほど大きい魔物が出現した。
(リーダー、ホブゴブリンです。この軍勢を率いるものでしょう。この数です。ホブゴブリンもこの一体だけでは、ありませんね。)
つまり、敵軍幹部のお出ましである。
まっすぐホブゴブリンに斬りかかる。
ホブゴブリンは、手にする槍で刀をそらす。
(なるほど、伊達ではないな。)
受け止めない点から、相手の力量を推し測る。
仮にも龍の因子を持つ刀だ。
受け止めたが最後、体ごと真っ二つになっていた。
それを読み取る知性と実行出来る技量。
大軍を率いる幹部に相応しい。
(しかし、好機と勘違いして突っ込んでくるゴブリンがうざったい。)
俺に隙がない以上、不意を突けるはずない。
ホブゴブリンとの戦闘の邪魔にしかならない。
(むしろそれが狙いか?)
などと考えながら、ホブゴブリンと対峙し、ゴブリンを蹴散らす。
俺の攻撃は、ホブゴブリンに当たらない。
魔物とは思えない槍さばきで受け流し、入りそうな時は手近なゴブリンを盾にする。
ホブゴブリンの攻撃も俺に当たらない。
【間合い取り】は、攻防両面に有益な移動術。
同格以下なら、万が一にもかすりもしない。
(だが、ゴブリンが邪魔すぎる。)
飛びかかってくるゴブリン、盾になるゴブリン。
有象無象にも気を配らなければならない現状が、ホブゴブリンとの戦闘を拮抗させていた。
ゴブリンの討伐だけが進んでゆく。
(もう1つ、目があれば……!)
ある。正確には、用意できる。
俺には、その力がある。
「おはよう、斬鬼。」
「おはようございます、主君。戦場ですね。」
「あぁ。雑魚も積れば…だ。」
「了解しました。」
ザンキが雑魚を警戒する。
「左後ろ」、「右上」。
言われたところに刀を持っていくだけで、雑魚の対処が出来た。
(これで、実質一対一だ。)
そうなれば、ホブゴブリンなど敵ではない。
ゴブリン軍の殲滅には、夜までかかった。
夕暮れ時に援軍が到着。
戦況が決まった瞬間だった。
軍の大将、ホブゴブリン・エリートを倒したのは、“龍殺し”ギルベルトのパーティだった。
後は残党とばかりに、全戦力を投入。
勝利で幕を閉じた。
その間、俺はさらに3匹ホブゴブリンを倒した事を付け加える。
能力一覧
天職:レンジャー 技能:射手D、威圧C(up)、気配遮断A、木工技師D、料理B、罠設置D、平衡感覚B
加護:九十九神 技能:人格投与S
能力:間合い取りB(up)、幸運C、武士C(evol)、鑑定B、鍛冶師C、エンチャンターB、精神防御C、魔具作成A、仕立て師C、調薬B、応急措置C、薬物耐性B、話術D




