天使様と最後の枢機卿
戦争は終わった。
結果的には、俺の全面勝利。
「ったく。暴れるなら暴れるで、もう少しスマートにやりやがれ。オレがザ・メディカルに開眼していなかったら、生存者は半分にも満たなかっただろうぜ。」
終了と同時に、屋敷を任せた仲間達をこちらに招いた。
スノーは早速、生存者の治療にあたった。
「“破軍”の実験も兼ねていたからな。能力の使用は抑えていた。」
「あんまなめてっと、痛い目みるぞ。……っと、ほれ。テメェで最後だ。」
文字通りの野戦病棟には、負傷者で溢れている。
“破軍”の直撃を回避したり、数多の猛獣や矢の雨霰に追われたりした人達だ。
頼みの来訪者はザンキに引き付けられていたので、命があるだけ運が良いと言える。
「女神は、私達を助けてはくれなかったのか。」
誰の呟きだろうか。
空気のどんよりさが増していく。
「しゃっきりしやがれ、テメェら!生き残ったのなら、生きる意味と義務ってのがあらぁ。オレは医者だ。生きたい奴を生かすのが仕事だ。テメェらはどうだ!生きたくねぇのか!?」
スノーの喝が響き渡る。
「天使様だ。」
「はぁ?」
「天使様が降臨なされた!」
沈んだところに喝を貰い、スノーに心酔してしまったようだ。
「その通り!思い上がった諸君を罰するために、女神様はあえてこの場を見放した。そして、改心したが故に、こうして天使を遣わしたのだ!」
「おぉ。」
「女神様よ。天使様よ。」
流れに乗り、俺は煽動してみる。
「こら、ガイ。テメェ!」
「「「「「天使様!天使様!天使様!」」」」」
「ちくしょう。騒ぐな、テメェら。傷に障る!」
(スノーも面倒見がよくなったな。)
天使コールを聞きながら、病棟を去る。
(ご主人様。アレンと名乗る男が面会を求めております。)
(すぐ行く。)
街中で瓦礫撤去を指揮しているビカからだ。
「はじめまして。アレンと申します。」
アレンと名乗った男は、青年と言っていいほど若かった。
「ガイ様にお願いがあり、参りました。どうか、国民にこれ以上害を加えないで頂きたい。そのために、わたしに出来る事は何でもするつもりです。」
初めから、これ以上戦いを広げるつもりはなかったが、せっかくなので利用させて貰う事にした。
「では、信仰を捨てて、一介の歯車になって貰いましょうか。まずはとりあえず、皆の前で俺に屈従して貰いましょう。」
終戦の協定がやり易くなって、助かった。
能力一覧
天職:豪商 技能:看破A、 交渉術B、 黄金率B、 量産S(max)、 計算A
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地B、幸運S(max)、武士A、射手S(max)、覇気B、隠密C、木工技師B、料理人C、罠設置A、悪路歩方B、鍛冶師A、エンチャンターS(max)、精神防御A、魔具師S(max)、仕立て師A、薬師B、応急措置A、薬物耐性A、千里眼C、漁師D、解体A、教育D




