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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第11章 戦争
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天使様と最後の枢機卿

戦争は終わった。

結果的には、俺の全面勝利。


「ったく。暴れるなら暴れるで、もう少しスマートにやりやがれ。オレがザ・メディカルに開眼していなかったら、生存者は半分にも満たなかっただろうぜ。」


終了と同時に、屋敷を任せた仲間達をこちらに招いた。

スノーは早速、生存者の治療にあたった。


「“破軍”の実験も兼ねていたからな。能力(スキル)の使用は抑えていた。」

「あんまなめてっと、痛い目みるぞ。……っと、ほれ。テメェで最後だ。」


文字通りの野戦病棟には、負傷者で溢れている。

“破軍”の直撃を回避したり、数多の猛獣や矢の雨霰に追われたりした人達だ。

頼みの来訪者(トラベラー)はザンキに引き付けられていたので、命があるだけ運が良いと言える。


「女神は、私達を助けてはくれなかったのか。」


誰の呟きだろうか。

空気のどんよりさが増していく。


「しゃっきりしやがれ、テメェら!生き残ったのなら、生きる意味と義務ってのがあらぁ。オレは医者だ。生きたい奴を生かすのが仕事だ。テメェらはどうだ!生きたくねぇのか!?」


スノーの喝が響き渡る。


「天使様だ。」

「はぁ?」

「天使様が降臨なされた!」


沈んだところに喝を貰い、スノーに心酔してしまったようだ。


「その通り!思い上がった諸君を罰するために、女神様はあえてこの場を見放した。そして、改心したが故に、こうして天使を遣わしたのだ!」

「おぉ。」

「女神様よ。天使様よ。」


流れに乗り、俺は煽動してみる。


「こら、ガイ。テメェ!」

「「「「「天使様!天使様!天使様!」」」」」

「ちくしょう。騒ぐな、テメェら。傷に障る!」

(スノーも面倒見がよくなったな。)


天使コールを聞きながら、病棟を去る。


(ご主人様。アレンと名乗る男が面会を求めております。)

(すぐ行く。)


街中で瓦礫撤去を指揮しているビカからだ。




「はじめまして。アレンと申します。」


アレンと名乗った男は、青年と言っていいほど若かった。


「ガイ様にお願いがあり、参りました。どうか、国民にこれ以上害を加えないで頂きたい。そのために、わたしに出来る事は何でもするつもりです。」


初めから、これ以上戦いを広げるつもりはなかったが、せっかくなので利用させて貰う事にした。


「では、信仰を捨てて、一介の歯車になって貰いましょうか。まずはとりあえず、皆の前で俺に屈従して貰いましょう。」


終戦の協定がやり易くなって、助かった。

能力(スキル)一覧


天職(ジョブ):豪商 技能(アビリティ):看破A、 交渉術B、 黄金率B、 量産S(max)、 計算A

加護(ギフト)九十九神(つくもがみ) 技能(アビリティ):人格投与S、擬人化S、具象化S

能力(スキル):縮地B、幸運S(max)、武士A、射手S(max)、覇気B、隠密C、木工技師B、料理人C、罠設置A、悪路歩方B、鍛冶師A、エンチャンターS(max)、精神防御(マインドプロテクト)A、魔具師S(max)、仕立て師A、薬師B、応急措置A、薬物耐性A、千里眼C、漁師D、解体A、教育D

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