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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第2章 旅支度
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ゴブリン軍襲来

龍殺しから数日。

俺は、組合を通してやってくる依頼に忙殺されていた。


「なんでこんなに依頼がくるんだ。」

「そりゃ、お前が“龍殺し”の相方だからだろ。」

「それに“史上最高の弟子”だし。」

「え~、“断らない男”だからでしょ~。」


面倒くさがって、文句は言っても依頼を断らずにいたら、色々言われるようになってしまった。


「「「それに来訪者(トラベラー)だし。」」」


正体についても盛大にバレた。

誰かが口を滑らした訳ではない。

俺があまりに滅茶苦茶し過ぎたからだ。


(完全に自業自得。)


これからの動き方を思案する。


バタンッ!


「大変だ!ゴブリンが押し寄せてくる。」


入ってきたのは、外敵監視をしている男だ。

【遠視】持ちであることとその性格から、嘘ではない事が分かる。

組合所内がざわつくもそこに緊張感はない。


(ゴブリンは数だけの雑魚…だったか。)


何百押し寄せて来ようと敵ではないようだ。

だが、


「その数、およそ1万。」


その言葉で空気が変わる。

雑魚には変わらないが、その数は異常なのだろう。


「そんなに多いのか、1万ってのは。」

「そうだ。大量発生して、2,3千。だが、今は時期じゃない。おまけに数が数だ。」


異常も異常。

前例なき事態らしい。


「支部長はどうした?」

「転移魔法で消えたってよ。」

「いつも偉そうにしておいて。」

「マスは?」

「新しい弟子見つけたって、朝から遠出だよ。」


最早パニックだ。

指揮系統が全く機能していない。


「静まりたまえ。」


強い言葉に場が鎮まる。

“龍殺し”の登場だ。




ギルベルトの指揮で、場は持ち直した。

転移魔法の使い手を向かわせ、周囲の町に警戒と援軍を要請。

非戦闘員に家から出ないよう厳命。

ユースと合流、防衛計画の立ち上げ。


(独りが怖いと、暴れていたのが嘘のようだな。)


【カリスマ】でも持っているかのような活躍ぶりだった。




そして、防衛隊は町の前にいる。


「良いかね、諸君。ユース殿達守備隊は町から離れられない。よって、我ら冒険者が敵を駆逐しなければならない。しかし、安心したまえ。諸君にはボク、“龍殺し”がついている!」

「「「「うおおおおおぉぉぉ!!!!」」」」


ゴブリンは徐々に近付いてくる。

その数に押される事なく、こちらの士気は高い。


(【カリスマ】に目覚めているだろ。これ。)


怯える事なく、昂る事なく観察する俺。

いよいよ、開戦。




「今だ、放て!」


その合図に合わせ、矢と魔法が飛んでゆく。

俺も狙撃弓を構え、確実に射抜く。


「魔法強すぎだろ。」


思わず呟くほど、ゴブリンを蹂躙する魔法の数々。

消し飛ばしたのは二割、二千いくつだろうか。

それでも、ゴブリンは止まらない。


(魔導弓。)

(あいよ。)


互いの距離は更に近付く。

大規模魔法が封じられる。

弓と小規模魔法で数を削る。

それでも一割弱、これで平時ならば終了していた。


「剣を抜け!突撃!」


接近戦に入った。

各々が愛用の武器を手に、ゴブリンと相対する。

攻撃特化の魔法使いはここでリタイア。

支援の使い手だけが護衛と共に、場に残る。


(俺も行くか。)


刀を抜き、群れに斬り込む。

接近戦では、「ソロはソロ、パーティはパーティと、戦いやすいやり方で蹴散らす」というシンプルな作戦が執られた。


(他の邪魔さえしなければ自由。やりやすい。)


【威圧】でビビらせ、【間合い取り】と【刀術】で各個撃破。

俺のスタイルに、余人はかえって邪魔だった。

一太刀で切り捨てられるゴブリン相手だからかもしれないが。

能力(スキル)一覧


変化なし

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