チーター魔法使い
唖然とする居残り組を屋敷の奴らに任せ、俺は攻略組を連れて、百年超えにやって来た訳だが……。
「なあ。あいつ一人で十分なんじゃないか?」
ショウがポツリと呟く。
視線の先では……、
「今や、アリス!いてもうたれ!」
「うん。これがあたしの必殺魔法!」
アリスが魔物の大群を相手に無双していた。
「大・勝・利!」
「アリスティア。ちょっと待て。」
俺は略さずにアリスに呼び掛ける。
「一人で先に行きすぎだ。お前だけの修行じゃないんだ。後、倒すならもっとスマートにやれ。素材が取れない。」
「うるさいな、討伐証明部位はちゃんと残しているでしょ。」
自重を促すものの、取り合おうとしない。
(前から調子に乗るやつだったが、独善ではなかったはず。)
「喧嘩すんな、暑苦しい。何でてめえはそんなに元気なんだよ?」
スノーがアリスに近付きつつ、不平をもらす。
「涼し!なんだよ、これ!おいこら、アリス。説明しろ!」
「クールヴェール。熱気を抑える魔法よ。」
「アリスはホンマに器用やな。」
自信満々に語るアリス。
全員が「自分にもかけろ」と迫ったのは、言うまでもない。
俺を含めて。
「アリス様の魔法のおかげで、動きやすくなりましたわ。」
「こんな魔法を独り占めしやがって。ダンジョンじゃなかったらシメテたぜ。」
「うう。確かにあたしの魔力は無限だけどさ。一度に発動出来る魔法には制限があるのよ、集中力的に。」
アリスはクールヴェールの個別発動でキャパシティがギリギリ。
しかし、全員のパフォーマンスが向上して事によって、攻略の進みは快調。
「絶好調じゃないか!ガッハッハ。」
「油断大敵ですよ。ダンジョンの中は、何が起きても不思議じゃないんですから。」
「あーぁ。あたしも戦闘に参加したい。」
約一名がブツブツしながら、歩を進める。
「暇なら勉強してろ。根源に至る為に必要なんだろう?」
「異世界の、しかもダンジョンの中で、何で物理と化学を勉強しなきゃならないのよ!」
(不機嫌の理由はこれか。)
単に勉強が嫌いなだけのようだ。
「大丈夫。わたしが教える。」
「わっ、どっから現れたの!」
ステラの突然の登場に、アリスのみならず全員の動きが止まる。
「あ、そっか。元々はガイのプレート。ガイの居る所、出たり消えたり出来るんだ。」
アリスの事はステラに任せ、ダンジョンの奥地に向かい続ける。
能力一覧
天職:豪商 技能:看破B、 交渉術B、 黄金率B、 量産A、 計算C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、射手A、覇気C、隠密C、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C、鍛冶師B、エンチャンターS(max)、精神防御A、魔具師A、仕立て師B、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、千里眼D、漁師D、解体B、教育D




