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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第2章 旅支度
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討伐報告と龍の剣

町に着いたら、住人総出で出迎えられた。

ギルベルトは、早速メンバーに囲まれている。


(貴族の特権だけじゃないみたいだな。)


町長が事情を訊いてくる。

なんでも、入って行った森から大きな音がするから有志を募って、ちょうど出発するところだったそうだ。


「分かりました。全て話します。」


俺に都合が良いように、脚色して話す。

もちろん、来訪者(トラベラー)関係はカット。


まず、森で着かず離れずの追いかけっこを行っていた。

バッタリ、何故かいる陸龍(グランドラゴン)と遭遇。

一時休戦、龍を相手に一昼夜ヒット&アウェー。

ギルベルトの剣と魔法が炸裂。

俺の役割は、囮と逃走経路の確保。

なんとか倒しきったのが、先ほど。

町に戻る途中、不意討ちで一本取り、決闘は俺の勝ち。


(ほとんど嘘だな。誰も損してないし構わねぇだろ。)


証拠として、龍の死体を提示した時、全員に驚きとどよめきが走っていた。

何か言いたげな(メンバーに讃えられている)ギルベルトと、嘘を見抜くユースには、後でフォローが必要そうだ。


ピコン♪


新しい能力(スキル)、【話術】が加わっていた。

虚実入り交じった説明をしたからだろう。


(実際、二人で龍殺しって点と決闘の勝者は俺って点が伝わればいいし。)




龍殺し達成に、町中がお祭りと化した。

“龍殺し”の称号は、俺の(偽)説明と仲間の盛り上がりぶりから、ギルベルトのみが取った。

称号は名誉だけで、特典は何も無い。


(名誉を重んじる貴族や騎士には、大事かもな。)


舞台に上げられ、初対面の調子を取り戻しているギルベルトを見るとそう思う。


(さて、ユースには真実伝えとくか。)


俺の正体を知る、嘘を見抜く、口の固い(嫁例外)男を探して、祭りの中を進む。


ちなみに龍(と砕けた樹木)は、ルールに則って等分。

俺は手数料を払い生産素材に、ギルベルトは売却したようだ。




お祭り騒ぎが止む気配すらない翌日。

俺は、ガドさんの工房を訪ねている。

所持品の強化をするために。


使用料を払い、刀と素材(の一部)、そして、


(今日も頼むぞ。タタラ。)

(了解だぜ。親方。)


人格投与を行った金槌をキャリーからとりだす。


「うーん。やっぱり、傷んでいるな。」


刀を分解して刃を見ると、所々に小さくない傷がある。

刀が自己修復の付加を上回るダメージを負った証だった。


(今回。その龍を素材に強化するから、簡単には負けないようになるな。)


タタラの言う力加減とタイミングで、刃を鍛え直す。




強化を終え、刀を元の状態に戻す。

そこへ、


「口止め料として、剣を作って欲しいんだ。」


ギルベルトがやってきた。


「使っていたのは、完全に寿命らしい。」


そう言って、自分の取り分の牙を渡してくる。

元々、ガドさんに牙を剣にして貰うために来たそうだ。


(口止め料ならば、拒否出来ないな。)


持てる全力で剣を鍛える。




「素晴らしい。」


出来たのは、真っ白に輝く片手直剣。

どうやら、気に入って貰えたようだ。


「これに免じて、昨日と正体については黙っていよう。おまけに、ボクを名前で呼ぶ権利をやろう。」

「それはそれは。ありがとうございます、ギルベルト殿。では、作業が残ってますので、失礼します。」


そう言って、俺は再び(タタラ) を取る。

刀の強化ですべき事は終わりだが、さっきの剣打ちで発想(イメージ)が浮かんだからだ。

こうして、龍の牙,爪,骨を混ぜた銀と黒、二本の片手剣を作り出した。

能力(スキル)一覧


天職(ジョブ):レンジャー 技能(アビリティ):射手D、威圧D、気配遮断A、木工技師D、料理B、罠設置D、平衡感覚B

加護(ギフト)九十九神(つくもがみ) 技能(アビリティ):人格投与S

能力(スキル):間合い取りD、幸運C、刀術A、鑑定B、鍛冶師C、エンチャンターB、精神防御(マインドプロテクト)C、魔具作成A、仕立て師C、調薬B、応急措置C、薬物耐性B、話術D(new)

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