アイオイ邸の住人
「おかえり、ガイ。遅かったね。」
「ただいま、ステラ。ビカを呼んでくれ。こいつらの世話を任せたい。」
ソルミナから俺の家まで強行軍で来た為、子供達は全員ダウンしている。
これでも最大のエンチャントを全員にかけ、体調が優れない子に薬を飲ませ、魔物は全て【擬人化】した“具足衆”任せにした、只長いだけの散歩だ。
マントは、十分離れた地点で脱ぎ、しまってある。
「あらまあ。何人?三十一人…かしら?手が足りないわ。グリニッジさん、家政班を召集して。男子は脱がしてお風呂に入れとけば良いから。女子は任せて、徹底的に綺麗にするわ。」
ビカに任せるとあっという間に片付けてくれるから、本当に助かる。
「ザンキさん。キヌに人数分の子供服を頼んでちょうだい。サイズは……はい、これね。」
勢いに押されて、服飾室に向かうザンキ。
ザンキにお使いをさせるあたり、ビカも強くなった。
「さて。食べながら聞いてくれ。」
風呂から出て、統一されたデザインの服に袖を通した子供達は、食堂でトラットリアの料理を取り合っている。
「お前達は、これからここに住む。ただし、ただ飯を食わせるつもりは一切ない。ここで学び、鍛え、世に立って貰う。」
「質問!あっ、それあたしの!にいちゃんは、結局誰?」
「そうだぜ……です。来る途中も教えてくんなかった……くれなかったですし。」
ウルルと最年長の少年…トミオから質問が飛んでくる。
「そうだったな。俺の名は、ガイ・アイオイ。この屋敷の主人で、来訪者だ。」
子供達全員の手が止まる。
「あの、それ、本当ですか?」
ウルルを引き止めた少女…ミヤがためらいがちに訊いてくる。
「本当だ。証明として……、全員「戻れ」。」
世話をしていたビカ。
料理を運んできたトラットリア。
俺の側にいるグリニッジ。
道中護衛していた“具足衆”の三人。
ステラを除く、部屋中の九十九神が本来の姿に戻る。
「彼らは、俺の力によって造り出された従者、九十九神だ。」
彼らのいた位置には、刀やら懐中時計やらが散らばり、また【擬人化】する。
能力一覧
天職:豪商 技能:看破B、 交渉術B、 黄金率B、 量産B、 計算C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、射手A、覇気C、隠密C、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御A、魔具師C、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、千里眼D、漁師D、解体B




