孤児の群れ
中央では信徒が全てを得、その外を信仰しない者がたむろしている。
それが、シャッガイの姿だ。
(中の様子が見れなかったのは残念だが、仕方ないか。取り敢えずの情報は手に入れたし。)
情報と言う物は、知っている人は知っている。
例え外の住人だとしても、中の事を知っている人はいるようだ。
(完全なる政教一体。教会に対する貢献が高いほど出世する…か。)
教会の権利が十全に機能する仕組みと言える。
(国家元首は、彼らが奉る女神。その代行と言う形で五人の枢機卿が政治を行う…っと。)
神の下の平等と言えば、聞こえは良い。
だが、神の名を借りてやりたい放題と言うのが、現状だ。
(さて。つけられているな。)
考え事をしながらも、尾行するいくつかの気配をはっきりと感じ取っている。
(恐らく子供。まず間違いなく、複数。俺が余所から来た人間だと知った上での行動だな。)
今俺は、あえて人気の無いところへ向かっている。
子供達の手慣れた感から、一人になったら襲撃して来ると推測する。
「おい、おっちゃん。ここのヤツじゃないだろ。」
案の定、周りに人がいなくなった途端、周囲を子供達に取り囲まれる。
人間以外に、エルフや獣人の子供もいる。
話しかけてきたのは、リーダー格らしき少女だ。
「おっちゃんは止めてくれないか?俺は、二十歳だ。」
「へっ、そんなナリでか。」
「ちょっと姿を隠す理由があってね。」
余裕があるのか、会話に乗る少女。
「ウルルちゃん、この人やめようよ。イヤな予感がするよ。」
「うっさーい!ちゃん付けで呼ぶな!」
リーダー少女はウルルと言うらしい。
仲間の諫言を一喝して、黙らせる。
「相手はたった一人。さっさと囲ってボコって金目の物を奪うんだよ。」
孤児のグループが、ジリジリと近づいてきている。
それに対し、泰然と構える俺。
「俺に挑もうと言うのなら……、容赦しないが?」
【覇気】を軽く流す。
それだけで、ほとんどの子供が戦意を喪失する。
「うるさい!何の為に来たかは知んないけど、わざわざこんな所に来るような物好きに、あたしの、あたし達の気持ちが分かるか!」
手加減しているとはいえ、プレッシャーに抗うウルルに、俺は素直に感心する。
「力が欲しいか?」
「は?」
【覇気】を解除した上で投げた問に、ウルルは意味不明とばかりな反応を返す。
能力一覧
天職:豪商 技能:看破B、 交渉術B(up)、 黄金率B、 量産B、 計算C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、射手A、覇気C、隠密C、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御A、魔具師C、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、千里眼D、漁師D、解体B




