大攻略大会
「諸君、よく集まってくれた。」
某日、ヴァーキナ某所。
ここに出現したダンジョンが町に近く、かつ攻略困難と言う事で、組合を通して呼び出された。
(絶対参加と言う訳ではないが、気分転換変わりに良いか。)
前方では、組合の職員が今更な説明や注意をしている。
周りにいるのは、皆見覚えのある実力者ばかり。
「では、諸君らの健闘を祈る。攻略開始!」
気の早い奴らが我先にダンジョンに飛び込む。
俺は腰掛ける場所を探し、その様子を眺めている。
「あれ?兄貴じゃないですか。」
ユウシパーティも参加していたようだ。
この一年の成長で、ユウシも外見でナメられない程度には大きくなった。
「よう、久しぶり。Sランクになったんだってな。」
「まだまだですよ。兄貴も参加していたんですね。」
ユウシに続いて、パーティの女の子達が挨拶してくる。
挨拶を返していくと、
「お久しぶりです、ガイさん。覚えていますか?」
と、猫の獣人女子が言う。
「ほら、シャラですよ。兄貴と初めて会った時の。」
「えっと、あ……ああ。猫獣人の行商親子。」
「一年間頑張って、ユウシ様のお側に居られるだけの冒険者になったんです!」
別れ際に泣いて困らせる少女は、もういなかった。
「俺はA-ランクだからな。一応お呼びがかかっただけだ。」
「またまた。兄貴はいっつも謙虚。」
ユウシ達に同行してダンジョンを進む。
10年物だと言うが、A以上が押し掛けたせいか、中は静かだ。
「で!挑んだんですか?百年超え。」
声を落として訊いてくる。
そんな気遣いが出来るぐらい内面も成長しているようだ。
「挑んだよ。そして、逃げ帰って来た。」
準備不足に実力不足。
命綱だけは念入りに、何パターンも用意していたため、命だけは助かった。
「百年超えは、どれもこれも地獄のようだった。」
手ぶらで帰るのもシャクだったので、入口付近の素材だけは採取したが。
その成果が、懐中時計だったり首輪だったりだ。
能力一覧
天職:豪商 技能:看破B、 交渉術C、 黄金率B、 量産B、 計算D
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、射手A、覇気D、隠密D、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御B、魔具師C、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、千里眼D、漁師D、解体B




