サイアと百年超え
「実は、侯爵さえ良ければ欲しい物があります。」
縁談を断っておいて図々しい話ではあるが、俺はそう切り出す。
「何かね?やっぱり娘が欲しいと!」
それは重ねて謝辞し、
「百年超えダンジョンの所在とその挑戦権です。」
「なぜそれを!」
百年超え
その名の通り、出現してから百年以上経過したダンジョンの総称である。
「サイア家は、冒険者が貴族の位を得たのが起こり。代々有能な冒険者を多数排出し、ダンジョンの調査や管理をしているそうですね」
「そこまで知っているのか。だがな……。」
百年超えは正に地獄。
踏み入る者に逃げ場など存在しない。
……らしい。
「俺の実力はご存知のはず。それに、これだけの来訪者と交流があります。」
「なるほど。パーティを組んで……か。」
納得の説得力で、俺は情報を手に入れた。
(近いうちに、様子を見に行こう。)
行って帰るだけなら、なんとかなるはずだ。
話し合いも無事終了。
想像以上の収入に、俺は満足しながら会場を廻る。
「お姉さまが本物に義姉様になるなんて夢みたい!ギル兄様、ちゃんとお姉さまを護ってください。」
「当たり前だとも。我が名の"ベー"に誓って、アンジェリカは護り通す!」
「"ベー"?」
思わず口に出してしまった。
「おぉ、ガイか。」
話しを聞くと、サイア家に産まれた者は必ず"ベー"つまりBから始めるミドルネームをつけられるらしい。
「自分を二番目に置き、自らの主に生涯の忠誠を誓え……と、言う習わしなのさ。」
ギルベルトは、誇らしげに言う。
「そうか。」
としか言えなかった。
能力一覧
天職:豪商 技能:鑑定A、話術B、黄金率C、量産B、暗算D
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、射手A、覇気D、隠密D、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御B、魔具師D、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、千里眼D、漁師D、解体B




