王立大図書館
侯爵家のお世話になって、一週間。
俺は侯爵家と親睦を深めていた。
「面白いな。このショーギと言う遊戯は。」
「俺の故郷で人気の遊びです。」
この間に、来訪者だとバレた。
(俺は隠し事に向いていないのかもしれない。)
特に、隠す事が戦略的に重要でない時はボロボロだ。
「よし!王手だ。」
「強くなりましたね。」
「最初は全然勝てなかったからな、っと。」
「詰みですね。」
侯爵は呑み込みが早かった。
「冷静で常に奥の手を隠し、知識と技で何でも造り出す。ガイ君、君は商人の方が向いていると思うのだが、どうかね?」
(商人か。)
単なる思いつきだった様で、侯爵は更に薦めてこなかった。
「ガイ様。そろそろお時間です。旦那様もお仕事に戻って頂きます。」
ショーギを片付けて、侯爵は書斎。
そして、俺は図書館に向かう。
王立大図書館。
貴族や金持ちの子供が通う学術機関の一施設。
学習棟などと違い、許可さえあれば誰でも入る事が出来る。
(侯爵に許可を取ってもらって一週間。まだまだたくさん未読本があるな。)
俺は、開館時間中この図書館に入り浸り、知識を貪っている。
「見かけないやつだな。お前何者だ?庶民がいていい場所じゃないぞ。」
高そうな服を着た四人の男女に行く手を塞がれる。
偉そうな男が一人。後は取り巻きのようだ。
(俺より少し若い。ここの学生か。やっぱり居るのか、傲慢系貴族。)
揉め事は面倒だから迂回するルートをとる。
学生達は俺を逃がす気がない様で、追いかけてきて取り囲む。
「さて。この不法侵入者をどうしようか。」
完全に決め付けてかかっている。
能力一覧
天職:レンジャー 技能:射手A、覇気D、隠密D、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、鑑定A、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御B、魔具師D、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、話術B、千里眼D、黄金率C、漁師D、解体B、量産B




