広まる技術書
「弟子にして下さい。」
爆弾魔事件は犯人捕縛で幕を閉じたが、族長達を通して俺の出鱈目さが知れ渡ってしまった。
その結果が弟子入り志願の急増だ。
(面倒な事になった。)
「どうか!」
「俺を!」
「いや、わたしを!」
一向に諦める気配がない。
それになにより、弟子入りの目的がバラバラである事が事態をより面倒にしている。
(料理に鍛冶、戦闘法。)
まったくのバラバラなのだった。
(どこまで本気なのかしら。マスターの技はズルのカタマリだものね。)
ラニの言葉はいつもトゲだらけだ。
(もっ勿論、本物だから皆に認められているんだから!)
(慰めているつもりなのだろうか。)
変なツンデレもいつもの事だ。
(そうだな…。写本を出すか。)
【量産】を活用して、技術書の写本を作り出す。
(自動索引は要る。原本との同期は…要らないな。ブックマークは付けて。書き込みは無し。)
こうして、写本第一版が完成した。
名は、単に「技術書」。
これを志願者全員に配布した。
「おい。そんな簡単に知識を振り撒いて良いのかよ。」
志願者の波が落ち着いてから、スノーが俺に訊いてきた。
「技術書は確かにばらまいたが、知識を安売りした訳じゃない。」
意味が分からないとばかりにスノーは顔をしかめる。
写本を一冊用意すると、一読したスノーの表情は呆れに変わる。
「納得した?簡単に賢くなろうなんて私が許さないわ。」
そう。ラニの希望により、とても分かりづらくなっている。
後に「読めば一流になれる本」と呼ばれる事になる、「一流の読解力なくして読み解けない本」は、この時を皮切りに出回り始める。
ラニのツンデレ設定、ミスったかもしれません。
開き直って、ツンデレ(?)でいきます。
能力一覧
天職:レンジャー 技能:射手A、覇気D、隠密D、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、鑑定A、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御B、魔具師D、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、話術B、千里眼D、黄金率C、漁師D、解体B、量産B




