正義の弱点
「ここで会ったが百年目とはこの事だな。なぁ、ガイ。」
俺は今、野盗に絡まれている。
人数はとにかく沢山。
(恨みを買うような事、結構してきたからな。)
私怨による襲撃は予想していた。
予想外だったのは、彼らの気配を襲撃まで気付けなかった事。
「てめえは覚えてねぇだろうが、俺達はてめえのせいで国を出る羽目になったんだ。」
マシボノの一件での恨みのようだ。
今のあの国は、体で技で心で、確かな「強さ」を持った人達の楽園だ。
数で囲って脅す輩は居づらいだろう。
「これが見えているだろ?近くで遊んでたガキだ。知ってんだぜ、てめえがセイギノミカタをやってんの。」
獣人や翼人、水棲人の子供数人が2,3人の野盗に囲まれている。
確かに俺は今、心証を悪くする事が出来ない。
「要求は簡単だ。そのバッグに入っているレアな素材。それを寄越しな。拒否したり、怪しい行動をしたら、分かってるだろ?」
野盗頭の合図で、人質に武器が突き付けられる。
「この外道どもが!」
「出たな、愛刀ザンキ。てめえの弱点は、てめえの主そのもの。」
ザンキが飛び出すのも予想済みのようだ。
子供たちにより刃が迫る。
「止めろ、ザンキ。」
「主君…。」
ザンキを後ろに控えさせ、ニヤニヤ笑う野盗頭に近づく。
「おっとそこまでだ。そこに置きな。」
「その前にこれをどうぞ。」
キャリーから取り出したものを野盗頭に放り渡す。
「あ?刀?」
「俺が鍛えた一本で、銘を……ムラマサと言う。」
その瞬間、野盗頭がまるで電池が切れたようにうなだれた。
能力一覧
天職:レンジャー 技能:射手A、覇気D、隠密D、木工技師B、料理A、罠設置B、悪路歩方C
加護:九十九神 技能:人格投与S、擬人化S、具象化S
能力:縮地D、幸運A、武士A、鑑定A、鍛冶師C、エンチャンターS(max)、精神防御B、魔具師D、仕立て師C、薬師D、応急措置B、薬物耐性A、話術B、千里眼D、黄金率C、漁師D、解体B、量産B




