美人さんと変態
…やっぱり美人さんだなぁ。何この髪。キッラキラのサッラサラですよ。
ため息出るくらい綺麗…絹糸みたい…触っちゃえ…ムフフ。良い!良い手触り!
ブラボー!!
目鼻立ちははっきりしている。流石ガイジンさん。
昨日見たときは腰までサラサラの髪だった。
銀の絹糸がさらりと零れて美しい滝を作っている。奇跡の顔立ち。
肌は陶器のように整っていてこの世のものとは思えない程、神がかり的だ。
「ふふ」
まつ毛も豪華にギンギラギンですよ。ファサファサしてますよ。
やっぱ髪と同じくプラチナの輝き…鼻筋もすっと通ってて、唇なんかぷっくりして…
なにこの黄金比。彫刻ですか?
うへへ…いかんいかん!涎が…
「おい」
…ニヤ
「もう、いい加減にしてくれ。朝から疲れる…。」
「!…おはよう…?」
(やっば!起きてた?)
「おはよう。…で、何故ここにいる?」
(毎朝これじゃ、貞操の危機を感じるな…)
「…ああ!そうでした!呼びに来たんです。朝食できましたよ~。アハハ。」
「…。」
初めての異世界にわくわくし過ぎて夜も明けないうちに起きてしまった。
誰も使ってない部屋を一つお借りした。で埃だらけだったけど、これからお世話になるお部屋です。
隅々まで掃除した。
昨日お古の洋服と新品の下着を頂いた。
生成の肌触りがよいシャツに麻っぽい素材のボトム、軽くて光沢のある下着…
多分、男性用の下着だと思う。
突っ込むのも恥ずかしいので、下着は当分考えちゃいけない方向で…
厨房に入り手早く支度する。
昨日のうちに教えてもらったので使い方はバッチリだ。
レストランのの厨房という感じで、プロの使い込んだ感が出ている。
包丁も研がれていて、清潔に整えられていた。
このお屋敷にはヒューだけだった。
一人だけ執事がいるが、ちょうど孫が生まれて里帰り中だそうだ。
彼は昨日のご飯もそうだが普段から一人で何でも出来る。
しかし二人きりで同棲みたいだがいいのだろうか。
年は朱吏と同じくらいか。
背は190センチはあり、首が痛くなる。
彫刻みたいで本当に無表情だ。
食材も名前は違えど大体同じ。
「あるもんで適当に~…」
朝なので適当サラダと適当サンドウィッチとコーンスープに決定した。
しかしこちらの食事事情は分からない。
お気に召すだろうか心配だ。
「…。」
「…。」
「…うまい。」
「…!ほんと?」
「初めて食べた味だがうまい。そっちの世界の味なのか?」
「みんな知ってる味です。むしろ有名で庶民的なのしか作れません!」
「また宜しく頼む。」
「はい!頑張ります!」
(なんだ、普通に笑えば少しは可愛いじゃないか。
あれが本来の子供らしさだろう…。そういえば…)
「年はいくつなんだ?」
「31才です。」
「…空耳か?」
「いえ、31才です。」
「…。」
(俺の一つ上…?)
思ったより異世界はとんでもないところらしい。