すこしの事実
「は?何?なんか用?」
璃菜が、清島のことを横目でにらんだ。
続いてあたしも睨む。
「もうすっかり泣き止んだみたいだねー。」
「なに?あたしたちに勝負挑みにきたの?(笑)」
あたしたちは、清島へたくさんの言葉を浴びせた。
「ごめん…ね。でも…すぐ終わるから。少しあっちで…教室の向こうで話いいですか?」
「…。」
あたしと璃菜は顔を見合わせて、清島のあとへ続いて教室を出た。
「こういうとこでしか話せないことなの?」
そう、まさにそれを言いたくなるような場所…体育館の裏へと連れて行かれたのだ。
マンガでは、告白やリンチの舞台となる場所。
そこで清島が、あたしたちに何をしようというの?
「ダイスケさんのこと…さっき、最屋さんから聞いてましたよね…?」
「えっ!?」
ダイスケのこと…もう清島も知ってるの!?
転入してきて少しだよ?後輩なのに???
「それが?というか、なんでアイツのこと知ってるの?
それに、私らがその話してたときアンタいじめられてたじゃん。意味わかんない。」
「ん…と。ダイスケさんとは、私の…彼氏が知りあいなんです…。
それで…るんちゃんたちの会話は…正確には私が聞いたんじゃなくて…」
彼氏…?知り合い…?
「アンタのカレって、ヤンキーなんでしょ?そこからなの?
ダイスケの情報は。」
璃菜が清島に問うと、清島は驚いた顔で言った。
「っ…とっ、とんでもないです…。
代知…彼の代知は、まじめで正統派なんです…
どちらかと言えばヤンキーを退治する方で…
だから…
というより、ヤンキーなのは、ダイスケさんの方なんじゃないでしょうか…?」
「そ、そりゃまぁ…。見かけはチャラいけどさ…。」
あたしが言うと、璃菜もうなずいた。
「いえ、違います…代知が言っていたんです。
ダイスケは二重人格だ。正確には分からないけど、情報屋をやっている目的があり、
それは莢と俺も関係していることなんだ。
って。だから…ダイスケさんは、最屋さんの言うとおり偽名ということは間違いないです。
調べさせたのですが…」
「ちょっと待って。
まだ信じられないけど、そこはおいておいて。さっき、聴いたのは私じゃないだとか
調べさせただとか。その、中間人物は誰なの?」
「…タカヒトさんです。」
「えっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」