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天使と悪魔。
「おい最屋…
俺の秘密バラしたな?」
「あっ… 樹優! 」
「呼び捨て?ふざけんなよ。学年は俺の方が下でもな、地位は俺の方が高ぇんだからよ!!!」
「はい…。 樹優…さん…」
「それより、秘密。ただじゃおかねぇよ?」
「ッ…」
「ねぇー、ダイスケって偽名だと思う?」
るんから聞かれた。
ここはやっぱり、絶対ウソだよって。偽名じゃないよって叫びたい。
けど、そんな自信は無い。
好きな人信じなくてどうするの、って天使が言う。
信じていたのに裏切られた時の絶望感の辛さを、悪魔が語る。
………。どうすればいいんだろう。
「正直言うと、あたしも迷ってるんだ。
でも、やっぱり信じてあげなくちゃって思うなぁ。
毬夜ちゃんの弟なんて、信じられないし…。
でもどっちか決めなきゃいけないわけじゃないでしょ?だからあたしは、祈ってるだけ、みたいな。」
そっか。
そうだよね…
別に、信じても信じなくても、どう思っても思わなくても自由なんだ。
「るんちゃん、璃菜ちゃん。ちょっといい?」
私とるんの間に立ちはだかったのは毬夜ちゃん―-----ではなく、
清島だった…。