いじめ
教室へ戻ると、お昼のジカン。
…と、清島のまわりに人だかりができていた。
「なに?いきなり人気になったの?」
璃菜は清島の元へかけた。
「や、逆っぽい。清島いじめられてんじゃん。」
清島の周りには、学校でも有名な悪女たちが集まっていた。
「なに?お前は道も、しかも海タローまでとんの?きっも…」
特に、男好きの多嶋 未佳は沸騰ちゅう。
「ほら、男子たちもこんな奴らいやでしょ?いろいろ言ってやんなよ。
最屋なんて、もっとも嫌いそうじゃん。こういうコ。」
おつぎは来古野 毬夜。
この人は、町内でも恐れられてるイジメっ子。
なんでも噂では、警察も手を焼いている人らしい。
とにかくヤバい人。この人に目をつけられたら終わり…
なんだけど、絡みやすくて、嫌い以外は全部好きな人っていういいコ…でもある。
すると最屋が、立ち上がった。
「でも俺、これ以上悪い事すっと進学できないんだケド。」
「んーじゃあ、あたしが全部責任もつ。いいよ、みーんなあたしが言ったってことにして。
どうせ、今頃変わんないし。ねっ!」
「もー、まりやんぬ超優しい♡ダイスキ~~」
「きもっ、抱きつくなし最屋!!!」
「じゃ、言うケドぉー。
お前、キャラつくってんじゃねえの?そんな…漫画描いたよーなキャラいねえだろ普通?
なに?この学校にスパイでもしてるわけ?まじうざいんだけど。
スパイとかすんなら、もっと正々堂々戦えし。実は強いんだろ、キャラつくってんなら。」
うおおおおおおっ
最屋、言ったぁぁ!!!!!やんべぇ。
ダイスケが言ってたこと、まんまじゃん。
「やっぱ、スパイってほんとなのかなぁ?いまの最屋の話だと…
皆きづいてたのかね?清島のコト。」
璃菜が驚いていた。
「だよねっ…。びっくり!!!」
「ハハッ…それまじあるかもぉ。なに?ほんとなわけ?清島ぁ?」
ひゃあ、怖ぇぇ。
毬夜ちゃんが、清島の胸ぐらを掴んで席から立たせた。
「ひっく…あたしぃ…そんなんじゃないです…ゔ…ひっく…」
「アハ^^とうとう泣いちゃったね、清島ぁ。
気の毒だけど、やっぱいい気味って思えちゃう。」
璃菜…だけでなく、見ていた人全員が笑い声をあげた。
道を見ると…
嘘!!!!!!!!!!!!!!!!
道も、笑ってた。
「璃菜ぁ…道も笑ってる…。清島のこと好きなんじゃなかったのかな?
それとも今だけ皆に合わせてるのかな…?」
「嘘ぉ!ほんとだぁ!!!!!なんかよく分かんないけど…嬉しいねぇ♪
ハハ★★」
ルンルン♪
いつもは『るん』『るん』してないけど、今はちゃんと嬉しい♪
でも、なんでだろう…?
しばらく様子を見た方がいいのかな。
「はっ…。」
多嶋が鼻で笑った。
「自分だけが悲劇のヒロインなわけ?じゃあ、あたしらはどうなんの!?
大事な大事な人たちを、いきなり来たクソウザい性格のブス女に奪われて、おとなしく見てろって!?
んなわけないでしょ…???ふざけんなよ…。」
「ほんとほんと。未佳、たまにはいいこと言うねー。アハハ」
「清島ほーんと糞ブス糞ウザだねー。はやくどっか転校しろしww」
「ちょーハッキリ言うねーwwまぁ、私らもスッキリするよねーww」
皆笑ってた。
道も…。
清島だけは、クラスメイト全員に囲まれて、泣きじゃくっていた。
そんな様子を、ニヤニヤと見つめる男がいたのを…道大だけが気づいていたのだった。