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信疑の恋  作者: 菜有なぅ。
11/11

ダイスケ




「…。ッ…

 俺は…璃菜が好きだよ…。」







「ダイスケ。話したい事があるの。」

私とるんは覚悟を決めてダイスケの教室へ向かった。


すると、うつむいたダイスケが出てきた。


「…なに?なんか用?」

元気の無い声で、ボソッと言うと、ゆっくり顔をあげた。


…。

ダイスケの顔を見た瞬間、私は悟った。

私たちが、ダイスケの嘘に気づいたことを知っていると。


そう思うと、なんだかダイスケがかわいそうになった。

けれどるんは、その顔に負けじと怒鳴り始めた。


「なんか用かって!?それは、ダイスケ…いいえ、君の偽名の件だよ!?!?!?


 分かんないの!?」


ダイスケが偽名とは知らない周りの人たちはどよめいた。

…が、『先輩の悪ふざけだろ~』と言って済ませた。



でも、そっちの方が都合良い。


私は、ダイスケ…を名乗ったヤツの袖をつかんで、るんと3人で人気のないロビーへと歩いた。




着くと、偽ダイスケがロビーの中を見回して、不安げな表情を浮かべた。


「まず聞くけど、あんたの本名は?」


私が聞きたかったこと。


すると偽ダイスケが、

樹優(きゆう)。」

と呟いた。


「毬夜さんのお姉ちゃんで間違いないの?」


「…あぁ。



 …悪かった…って思ってる…。

 この事は、最屋が言ってたんだ。教えてしまった、と言われた。


 でも、偽名のこと以外話すことは…隠していたことは何もない。」




「嘘だ!!!清島が言ってたよ!?


 清島の彼氏はヤンキーでもない好青年で、危険なのは逆にあんたのことだって!」


これ以上嘘をつこうとする樹優…が、許せなかった。

つい大声で叫ぶと、樹優は、


「俺が教えたのはあくまでも情報だ!事実なんて言っていないだろ!!!!!????」



と叫んだ。


「…ご…ごめ…」

私がそう言っているときにはもう、樹優の姿は無かった。



「んだよアイツ!逆ギレかよ!!!!!!!!!」


傷つくあたしとは反対に、るんは怒りに満ちていた。

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