またいつか一緒に【第13話】
今回は、設定事項を用意しました。以下の内容に添って、執筆お願いいたします。
リレー小説(第二弾)設定・注意事項
★全40話
★一話2000文字以上
★登場人物数制限なし
★ファンタジー要素無し
★SF要素無し
★地の文は主人公視点
★重複執筆可
★ジャンルはその他
★執筆予約制廃止(予約を入れてくださる著者様を拒みはしませんが、ある程度の執筆予約が入ってからの執筆開始はしません。執筆予約を入れられた著者様に関しては、活動報告に掲示させていただきます)
★執筆著者様は、執筆前にご連絡ください
★執筆投稿後、必ず御一報ください
★あらすじは、前話までの要約を明記
★全ての物語を聖魔光闇がお気に入り登録します
★後書きに執筆著者様募集広告を添付
一話:聖魔光闇 http://ncode.syosetu.com/n1590t/
二話:日下部良介先生 http://ncode.syosetu.com/n2296t/
三話:ふぇにもーる先生 http://ncode.syosetu.com/n3991t/
四話:koyak http://ncode.syosetu.com/n4630t/
五話:創離先生 http://ncode.syosetu.com/n8318t/
六話:蟻塚つかっちゃん先生 http://ncode.syosetu.com/n9612t/
七話:聖魔光闇 http://ncode.syosetu.com/n1100u/
八話:伝次郎先生 http://ncode.syosetu.com/n2759u/
九話:koyak先生 http://ncode.syosetu.com/n4425u/
十話:このはな さくら先生 http://ncode.syosetu.com/n4766u/
十一話:鳩麦先生 http://ncode.syosetu.com/n8057u/
十二話:ポテトバサー先生 http://ncode.syosetu.com/n1332v/
十三話:聖魔光闇
よろしくお願い致します。
「ぅわぁぁぁぁぁ!! 頼む! 助けてくれ! 殺さないでくれ!!」
来栖は振り向き様にひざまづくと、両手を合わせ、涙を流しながら懇願している。
そんな来栖に声を掛けた勝俊も、そして後ろで見ていた僕も黒崎さんも、その光景に一瞬凍り付いた。なぜなら、来栖の合わせた両手には、指が無かったからだ……。
「どうした来栖! 何があった!?」
初めに動いたのは勝俊だった。勝俊は、来栖の傍に駆け寄ると、血を流し続ける両手を自分のシャツで包むと、出来るだけ強く縛り付けた。
『僕の時は、恐がるだけで知らん顔だったくせによ!』
そんな僕の思いも知らずに、勝俊は来栖に声を掛け続けている。
「勝……俊……? 智哉も……、どうしてここに……」
ようやく正気を取り戻したのか、来栖が顔をあげて、驚いている。その瞬間、ガクッと来栖の身体が崩れると、そのまま床に倒れ込んだ。
「救急車!!」
「はい、既に手配致しております。しかし、ここでよろしかったですか? あの方の事もありますので、後々面倒な事にならなければ良いのですが……」
必死の形相の勝俊に比べ、黒崎さんは淡々と話をする。あの方というのは、きっと椎名の事だろう。
それから暫くして救急車がやって来ると、勝俊が来栖に同乗して病院へと向かっていった。
救急隊の人が、警察に通報し、僕と黒崎さんは、簡単な事情聴取を受けたが、すぐに釈放され、黒崎さんの車で家まで送って貰った。
『おかしい。最近の連日の事件から考えると、聴取が簡素すぎる。しかも、殺人現場にいた人間に対して……。警察は、一連の事件に関与していないのか? それとも、別の……』
部屋に入ると、暗い部屋の中で、仄かに光るPCにメールが届いていた。
《今回の復讐劇、如何であったでございましょうか? 目の当たりにするのも、一興でございましょう。さて、残すは一応、あと一名となりました。それでは、お返事お待ちしております》
『一応……。どうして一応なんだ……。それに勝俊は、一度あの別荘で……。それにあの部屋には、他に誰もいなかった筈だけど……』
腑に落ちない点ではあったが、メールの返信をしてから、携帯の画面を見た。
『遥!』
そうだ遥だ! あの部屋は、遥の部屋の筈なのに、椎名が死んでいた。しかも、どうして来栖が居たんだ。遥は何処へ行ったんだ。わからない事が、頭の中でぐるぐると渦巻いていたが、ひとまず遥へ連絡が出来ればと、携帯のアドレスの中から遥を探し、通話ボタンを押す。
『繋がるわけねぇか……』
そんな思いを余所に、呆気なく遥の声が聞こえてきた。
「もしもし。どうしたの? 智哉君」
「遥! 今何処だ!?」
「智哉君どうしたの? 何かあったの?」
「詳しくは会って話す! 今何処にいるか教えてくれ!」
「今? 病院だよ。中央病院。親戚のおばさんがね、倒れたって連絡があって、病院に来てるの」
「そうか、わかった。じゃあ、すぐに行くからな! そこ、動くんじゃねぇぞ!」
何か嫌な予感がする。しかし、今はそんな詮索をしている場合ではない。僕は、すぐさま勝俊に電話を掛けた。
「勝俊、今何処だ? 黒崎さんに来て貰えねぇか?」
「病院だよ。来栖が今、治療中だ。黒崎さん? いいよ。連絡しとく」
「病院って……、何処の病院だ!」
勝手に心拍数が上昇していく。
「何処って、ここは……中央病院だな」
「中央病院!?」
「どうしたんだよ智哉! 何かあったのか!?」
「勝俊! 頼む! 黒崎さんを迎えに遣してくれ! 俺も今からそこへ行く! 早く! 出来るだけ早く頼む!」
僕は勝俊の返事も待たず、通話を終了した。
『どういう事だ? 部屋にいた筈の遥が、中央病院にいる。来栖の運ばれたのも、中央病院。どうして遥の部屋で椎名は、死んでいた……。どうして、あの部屋に来栖がいた……。いや、そもそも、どうして来栖があの部屋に……。来栖のあの手は、どうしたんだ……。あの受話器越しに聞こえた、何かが砕ける様な音……。あの女の声……。二度死んだ椎名……。いしやさくな……』
「クソッ! もうどうなっているのか、わけがわからねぇ!」
思考を廻らせていたが、思わず大声を出してしまった。その時、家の前に車が止まる音が聞こえた。
その後、僕は黒崎さんに抱えられ車に乗ると、中央病院へと急いだ。黒崎さんは、始終無表情で、顔色一つ変えず運転していたが、その表情をルームミラーから、ずっと眺めていた僕は、不信感を募らせていた。
病院の駐車場に車を入れ、黒崎さんと共に病院内へ入ろうとしたが、既に夜間診療の時間になっており、正面口が閉鎖されていた為、救急専用口より病院内へ入る。そしてすぐに、僕は近くにいた看護師に声を掛けた。
「すみません。この人、この後、用事があるそうなので、押してくれませんか?」
「あら、そうなのですか? わかりました」
何か言いたそうな黒崎さんを残して、ひとまず居場所が確定している来栖の下へ急ぐ。
勝俊は、救急治療室の前のベンチに座り、両手を握り合わせたまま、目の前の床を睨み続けていた。
「勝俊! 来栖はどうだ!?」
「智哉! あれ? 黒崎さんは?」
「ぁぁ、黒崎さんね……。何か、用事があるらしく、先に帰った」
「そうか、用事か……。じゃあ、仕方ねぇな……。で、何か慌てていたみたいだけど、何かあったのか?」
「実は……、遥が……」
家に帰ってから考えた事を、かい摘まんで説明する。まぁ、言いたくても、全てを話す事は出来ないんだが……。
「で、若宮は無事なんだな!?」
一瞬、勝俊の顔が明るくなったような気がした。
「いや、まだ会ってねぇ」
「どうしてだよ!? 会ってこいよ! 来栖には、俺がついているからよ!」
「あ、ぁぁ……。わかった。じゃあ、また後でな……」
そう言って僕は促されるまま、いつの間にか入れ代わっていた、受付の制服姿の女の人に押してもらいながら、薄暗くなった病院の廊下を進んで行った。
振り返ると、勝俊が険しい表情で、去り行く僕の後ろ姿を睨んでいた。
これはリレー小説です。
リレー小説とは、複数の筆者による合同執筆(合作)を言います。
御参加頂ける方は 聖魔光闇先生までメッセージにて、ご一報ください。
参加していただける方は、再度メッセージにて、正式に依頼させていただきます。
その後、投稿後にもう一度ご連絡いただきますよう、お願いいたします。
現在、17話以降の執筆担当著者様を、募集しております。皆様のご参加、心よりお待ちしております。