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紙切れヒコーキ。

作者: マサキ



初投稿です!!


意味の分からない言い回しとか、繋がってない部分とかあるかもですが…、



ぜひ(´∀`∬)


春、別れの季節…

それと同時に、出会いの季節…


成績:普通

運動神経:普通

性格:特徴ナシ

家族構成:父・母・俺・妹

名前:上田 勇気


いたって普通の人生を歩んで来た俺にも春は来た。


中2の春…、

それから夏・秋・冬…、


1つ1つ、季節が巡る度に大人になる。



そして、

やってくるのは選択の刻…


帰りのホームルーム、

担任から何気無く渡された薄い紙切れ。


これが、未来の1歩


「進路かぁ…、」


あと1年も先のことなのに将来何になりたいのか、

どこの高校に行きたいのか、

どんな道に進むのか、

そんなこと分からない。


それに…、


唆藤 尊<サトウ ミコト>

彼女の成績は、いつも10位内らしい。


そういう情報は、すぐに耳に入ってくる。


それに比べて、94/198人中の普通の成績の俺…、


いくら願ったって同じ高校になんて行けるわけがない。

初めから期待なんてしてない、けど…


「はぁ、どーしよっかな」


2月の風は、冷たい。

2-4の教室は、3階にあるので窓から身を乗り出してる俺の顔にはダイレクトな風がぶつかる。



[ここから、投げたら全部なくなるんじゃね?]

[紙、無くしましたーとか言って誤魔化せるぜ?]

[いや、それ新しい紙渡されるだろー、!!]



隣にいる友達(彼らも普通の中の普通)は、そんなことを言い笑いながら進路調査表を紙ヒコーキにして、飛ばすフリをしている。



ふと、口には出せない想いを紙切れに書いてみた。


<<唆藤 尊サンが、好きです>>

書いてから我にかえる。

そんなこと、言えるわけもないのに…、


そんなことを思いながら、彼らのするように

紙ヒコーキを作り飛ばすフリをしてみる。


勿論、

本当に飛ばすつもりもない。


そんなことをしても書かなくちゃいけない、という事実は変わらない。


いわば、あれだ…、

その…、


男のロマンだ!!



ホントになくなればイイのに…、


一瞬、ホンの一瞬力を緩めた時タイミング悪く2月の風が吹く。



手から離れ、風に乗り流れてく紙切れに焦りを感じた。


「あっ、ヤッッベ!!」


もしかしたら、

ゴミと間違えられて捨てられてしまうかもしれない。

今日は、普通を通り越してついてない日だ。


早く、取りに…


急いで、窓の枠から手を離したとき誰かが紙切れを拾っていたのが視界の端に映る。


踵を返して、身を乗り出して叫ぶ。


「あのーっ、!!!

それ、俺のな…んで、、、すけ、ど…」


思わず、言葉が途切れる。


唆藤 尊…、


意外な人物との遭遇で、テンパッてどーしたらいいのか分からない頭に…、


浮かんだもの…、


数十分前の自分の行動


紙にスラスラと走らせたボールペン

鮮明に思い出される字


<<唆藤 尊サンが、好きです>>


「…っ!!!」

さっきの勢いで俺のとか言っちゃってるし、

もし俺が好きだってバレたら…

最悪だっ!!


いや、でもそのまま捨てておいてと頼むのもアリ…?


いやいや、でも中を見られたらおしまいだ。


……………………。。。



クソ、俺のチキンハートが!!!!



「あの、」

「!!?」

「ここで、待ってるね?」





「…はい。」



…会話、しちゃった。


思えば、1度も話したことすら無かった。

目が合ったことすら無かったのかもしれない。

初めて彼女に声を掛けて、

もしかしたら、今日はいい日だったのかもしれないな


廊下を駆けながらそんなことを思った。



途中2・3回、すれ違う先生達に*廊下を走るな*と、小学生のような注意を受けたが気にしてる暇はない。


唆藤は、俺を待っている…、

俺の為に待っているのだから。



はぁ、はぁ、はぁ…、

3階からの全力疾走は、かなりキツい。


校舎の裏にある中庭、

2-4の教室の真下。


さっきと変わらない様子で、そこにいた。


近づく。

彼女が、近くなっていく。


目が合って、俺の表情は明らかに変わった。


「これ、」

「あ、ああ…ありがと」


やべぇ、超キンチョーする。


「投げちゃ駄目だよ?」

「あ、悪い」


からかうように笑う唆藤、かなり可愛い。


きっと、赤面してる。

ダサいな。


「上田クンのだったんだね」

「え?」

「だって、そんなことするように見えなかったもん」


もん、て…


「いっつも大人しいし、花の水換えたり、黒板消したり、誰に言われるわけじゃないのにさ?」

「…………………」



思えば、1度も話したことすら無かった。

目が合ったことすら無かったのかもしれない。

初めて彼女に声を掛けて、

名前を呼ばれて、

名前を呼んで、


俺の中の何かが、音を立てて弾けとんだ。


思い出したのは、紙ヒコーキに書いたあの言葉…


「あのさ、唆藤サンが貰ってくれないかな…、それ。」

「え?」


俺は…、


「君に渡したい」


もう、どうにでもなれ!!





「君に伝えたいから」




<<唆藤 尊サンが、好きです>>


舞い降りる、

2月の風に乗る紙切れは、


この想いは、


君のもとへー…



感想とか、

ダメ出しとか、



何でもいいんで、

教えてくれると嬉しいです

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 すとむみずみと申します。 作品、読ませていただきました。 第一印象を端的にいうと 素晴らしい と思いました。雰囲気が素晴らしくにじみ出ていますね。文才が羨ましいです。 …
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