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人間というもの

人間は嫌いです。


人とは愚かな生き物だ。自分の欲のためだけに必要のない事を成し、不利益、なんの解決にもならないと分かりきっていて相手を傷つける。有限の資源を無駄にすらする。


なんて愚かな生き物だ。哀れすぎる。


教室の窓の外、けやきの木の葉を風が揺らす。外は鮮やかな青い空が広がり、輝かしく生きているはずの人間は、今日もどす黒く見える。夜歌は、けやきの緑を眺めてぼーっとしていた。笑っている姿も、泣いている姿も、怒っている姿も、どれも夜歌には同族を欺くために作られた仮面にしか見えない。第一、夜歌は人間という立場だが、人間が大嫌いだ。人間である自分も含めて。だからこそ、クラスで孤立している。

今日も窓の外を眺める。鳥が鳴いている。緑揺れてる。風の音がする。自然を感じる。この自然という強大な武器を、夜歌は尊く、恐ろしい存在だと考えていた。

聞こえてくる人の声一つで、すべてがかき消されてしまう。

今日もやはり、夜歌は人間が大嫌いだ。ずっと耳を塞ぎたい衝動がいつものように全身を襲った。

「ホームルーム始めるぞ〜」

先生の声でやっと止まっていた思考がゆっくりと動き出す。1限目は移動教室。とても最悪な日課だ。


やはり。1限目から帰って来たら、案の定というべきか、机にぐしゃぐしゃになり、半分に破かれた数学のプリントが置いてあった。後処理が面倒なので、あまりやってほしくはない。移動教室のあとは、これが日常。しかも、クラスメイト全員が見ている時に堂々とやってくる。クラスメイトも少し白状な奴ばかりだ、とは思う。自分が嫌いな事はよく分かったけれど、嫌いな人のために時間を割く理由が、未だに分かっていない。嫌いな人ならその人はどうでもいい夜歌にとって、クラスメイトがとる対応は理解しがたいものだった。


嫌いなら放っといておけよ。変なの


給食の時間も、ぶつかられそうになることは日常。ちゃんと避けてるのに、なぜかぶつかりにくる。


ぶつかり損ねてコケて恥かいてんのいつもそっちなのに。変なの


家に帰っても、母とは喧嘩ばかり。弟とは口も聞かない。最近、戦争のニュースをよく耳にする。その度に思う。


なんでそんな無駄なことをするのだろう。ただ自然と自分を追い詰めているだけじゃん。変なの


人間は嫌い。

尊い自然を壊すし

欲のためだけに行動するし

第一、変だし

欲を求めてこんな楽な生活してるんでしょ?

他の生き物たちは、雄大な自然のなかで精一杯生きているというのに。ずっと、命がけで生きているというのに。

人間ばかり楽をして。

なぜこんな事が許されるの?

考えるだけど気分が悪くなる。

人間はいなくなっちゃえ

人間は増えすぎた

人間はもっと減るべきだ

人間は自然を壊している

有限の資源を無駄にしている


嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い


ほんっとうにだいっきらい


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