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短編集

調査員の貧乏生活

「カップ麺、落としましたよ」

「ありがとうございます」

表向き冷静に感謝を伝えた私、八代巽(やしろたつみ)だが、内心物凄く焦っている。

なぜならこれがお昼ご飯兼晩御飯だからだよ!!

財布を盗まれてからもうお金がない、そこで量がありすぐに作ることができるカップ麺にしたのだ。

ぐぅぅぅぅぅぅ

「あぁ、お腹すいた……どうしようコレ以外食べるものっていえば家にモヤシ……だけど、もうモヤシ炒めは嫌だ〜〜!!」

ポンポン

「お困りでしたら余った無料券が五枚あるので入りますか?(実際には食べたかったものだけど、困ってる人を放って食べるくらいなら本当に必要にしてる人に食べてもらいたい。この食べ物はまた買えばいいし)」

「いいんですか?」

「遠慮なく」

「……ありがとうございます、本当ありがとうございます!!」

私はお礼として我がうどん星の小麦粉を渡した。

うどん星の王女なのにうどんが作れない落ちこぼれ……それが私実名カップ=ウ=ドンです!!

地球でカップ麺を知った時の驚きときたら、うどんの麺が突然宙を舞って口の中に入ってくるほど驚いた。

うどん星では通常運転なんだけどね。

宙を舞ううどんもうどんが襲ってくるのも擬人化したうどんもね。

地球の家賃もうどんだったらよかったのに……だめだわ、食べ物なくなって死ぬ!!

うどうどうど……うどうどうど

あっ、母さんから電話だ。

「うどうっどうどうどど(もしもし母さん)」

「どどうどうどん?(元気にしてる?)」

ここから先はうどん星語を日本語に翻訳して提供いたします

「ドンちゃん地球はどう、少しは慣れてきた?」

「うん、だいぶ慣れてきたけどお金がなかなか貯まらなくて最近はモヤシばかりだよ」

「うどん送ろうかドンちゃん?」

「ダメだよ私ばかり。調査員は他にもいるんだから」

「安心して全員にあげてるか〜ら!!」

「……それじゃ貰おうかな?」

「それじゃあキッチンで鍋を」

「……昨日鍋壊れた」

「……えっ? 何か代わりに入れ物になるものは?」

「あるあるある今日……落……ちたカップ麺の入れ物が……食べたかったよ〜〜!!」

「四個送っておくわね、ドンちゃん」

「ありがとう母さん」

シュン!!

「届いたよ」

「それはよかった。作れるように小麦粉も送っておくわね〜」

「あっ、ありかとう」

母さんは知らない私がうどんを作れないことを……よーし料理教室に通おうと思ったけどお金がないや

「ドンちゃんそれじゃあ切るねぇ、ちゃんとご飯食べるんだよ。元気でね」

「うん、いつもありがとう母さんも元気でね」

プッチン

コンコン

「八代さんさっき料理教室に通うお金がないって言ってたわよね、私が無料で教えましょうか?」

ガチャ……ドン

「痛っ」

「ごめんなさい大家さん」

「いえ、謝らないでください。それでどうしますか?」

「教えてください、これからお願いします」

私は大家さんに料理に教えてもらいながら

ピーピー

「カップ麺、出来た」

パチン

フーフー

ジュルルルル

「やっぱりカップ麺って楽で美味しい」

カップ麺も食べています!!


おしまい

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

カップ麺を食べながら考えました

うどんが食べたいです

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