かんたんにかんがえてみる
こネコの ニャーゴは、だいどころに おいてあった ミルクを のもうと しました。 「たのしみだニャ!」
でも、おさらを みて びっくり! 「あれ!? おさらが からっぽだニャ! だれか のんじゃった!」
ニャーゴは プンプン おこりました。 「わかったニャ! きっと、きのうの よなか…」 「そらとぶ ゆうれいネコが ピューっと まどから はいってきて、ぜんぶ のんで いったんだニャ!」
そこへ、ネコノヒゲ ちょうろうが きました。 「ニャーゴや。おおきな こえを だして どうしたんじゃ」 「ちょうろう! たいへんだニャ! ぼくの ミルクを、ゆうれいネコが のんじゃったんだニャ!」
ちょうろうは、からっぽの おさらを みて、あごを なでました。 「ふむ。『そらとぶ ゆうれいネコ』か。それは たいへんじゃったのう」
ちょうろうは、じめんを じっと みて、ゆびさしました。 「ところで ニャーゴや」 「あの ミルクの おさらの まわりに、ちいさな あしあとが ペタペタ ついて おるぞ」 「あ! ほんとだニャ」
「そして、あそこの ひなたを みてごらん」 ひなたでは、いぬの ワンタくんが、くちの まわりを ペロペロ なめながら、きもちよさそうに ねて いました。
ちょうろうは、ニャーゴに ききました。 「さて、ニャーゴや。ミルクが なくなったのは…」 「そらとぶ ゆうれいネコが きた と かんがえる のと、」 「おなかが すいた ワンタくんが のんじゃった と かんがえる のと、」 「どっちが かんたんで、ありそうな おはなし かな?」
ニャーゴは、ペロペロ している ワンタくんを じーっと みて、いいました。 「…あ! ワンタくんだニャ! ぜったい ワンタくんだ!」
ちょうろうは ニッコリ しました。 「そうじゃな。ふしぎで むずかしい ことを かんがえる より、いちばん わかりやすい ことが、ほんとう だったり するんじゃよ」
「もー! ワンタくんの ばかー!」 ニャーゴは、きもちよさそうに ねている ワンタくんを おこしに いきました。
オッカムの剃刀




