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まねっこは、くたくたにゃ!

あるひ、キツネ(きつね)コンタ(こんた)が、みんなに じまんしていました。

コンタ(こんた)は、おひさまみたいに キラキラ(きらきら) かがやく、とっても きれいな いしを もっています。


「うわー! なにそれ! すごいニャ!」

ネコ(ねこ)ニャーゴ(ニャーゴ)と、ともだちの ミケ(みけ)ちゃんは、めを まるく しました。

「わたしたちも そんな きれいな いし、ほしいわ!」


コンタ(こんた)は、いばって むねを そらしました。

フフン(ふふん)。これはな、『すごい きまりごと』を まもった ひとだけが みつけられる いしなのさ!」


「すごい きまりごと?」


「そうだ!」

コンタ(こんた)は、ゆびを たてて いいました。

「ぼくはな、

1. まいにち 7じ ぴったりに おきて おしっこ して!

2. まいにち 8じ ぴったりに あさごはんを たべて!

3. そして、みぎあしから くつを はいて、3かい ジャンプ(じゃんぷ) してから おそとに でるんだ!」

「この ぜんぶを まもったから、この キラキラ(きらきら)いしを 『ぐうぜん』ひろえたんだぞ! すごいだろ!」


「へえーー! そんな きまりごとが あるんだニャ!」

「すごいわ! わたしたちも まったく おなじことを やれば みつかるかも!」

ニャーゴ(にゃーご)ミケ(みけ)ちゃんは、すっかり しんじて しまいました。



つぎのひから、ふたりの たいへんな まいにちが はじまりました。


「うにゃ…まだ ねむいニャ…でも 7じだニャ!」(ニャーゴ(にゃーご)

「あら、もう 8じよ! いそいで ごはん たべなきゃ!」(ミケ(みけ)

「えーっと、みぎあしから くつを はいて…ジャンプ(じゃんぷ)を 3かい! いち、に、さん!ニャ!」

「わたしも! いち、に、さん! よし、いくわよ!」


ニャーゴ(にゃーご)ミケ(みけ)ちゃんも、コンタ(こんた)の まねを まいにち まいにち、いっしょうけんめい つづけました。

でも、いくら さがしても、ふたりとも キラキラ(きらきら)いしは まったく みつかりません。


「うう…クタクタ(くたくた)だニャ…」(ニャーゴ(にゃーご)

「わたしも つかれちゃったわ…」(ミケ(みけ)

ふたりは、つかれはてて しまいました。

コンタ(こんた)と おなじこと してるのに、なんで わたしたちは みつからないのかしら…」



そこへ、ネコノヒゲ(ねこのひげ)ちょうろうが やってきました。

「おやおや。ふたりとも、なんだか とても つかれはてて おるのう」


「ちょうろう…。わたしたち、コンタ(こんた)の まねっこ してるのに、キラキラ(きらきら)いしが みつからないんです…」


ちょうろうは、おはなしを きいて ニッコリ(にっこり) しました。

「ふぉっふぉっふぉ。それは『せいこうの ものまね』じゃな」


「せいこうの ものまね?」


「うむ。コンタ(こんた)キラキラ(きらきら)いしを みつけたのは、ただの『ぐうぜん』じゃ」

「それと、コンタ(こんた)が まいにち やってる『7じの おしっこ』や『8じの ごはん』とは、なんにも かんけいが ないんじゃよ」


「えーー!? かんけい ないニャ!?」


「そうじゃ。コンタ(こんた)は、『ぐうぜん』みつけた あとで、『ぼくが すごい きまりごとを してたからだ!』と、『あとづけ』で いばって いるだけなんじゃ」

「かんけいの ない ことを いっしょうけんめい まねしても、おなじ『ぐうぜん』は おこらん」

「だから、ニャーゴ(にゃーご)ミケ(みけ)ちゃんも、ただ つかれただけ…『くたびれもうけ』になって しまったんじゃよ」


「そっかー! あの きまりごとには いみは なかったんだニャ!」

「わたしたち、むだな こと してたのね…」

ニャーゴ(にゃーご)ミケ(みけ)ちゃんも、コンタ(こんた)の まねっこを やめました。


キラキラ(きらきら)いしを みつけるには、まねっこ よりも、いろんな ばしょを たくさん さがす ほうが、ずっと いいんじゃよ」

ちょうろうに おしえられて、ふたりは また ひとつ かしこくなりました。

他人の成功をマネしても、あまり意味が無い。

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