表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/20

おなじおたんじょうび

きょうは、どうぶつほいくえんの はじまりの日。

ネコ(ねこ)ニャーゴ(にゃーご)たちは、そわそわ わくわく!


きょうは、あたらしい おともだちが たくさん はいってきました。 ニャーゴ(にゃーご)ミケ(みけ)ちゃん、トラ(とら)くん、ウサ(うさ)ちゃん、クマ(くま)くん… ぜんぶ あわせて 23ぴきの おともだちが、おへやに あつまりました。


そこへ、えんちょうせんせいの ネコノヒゲ(ねこのひげ)ちょうろうが、おおきな カレンダー(かれんだー)を もってきました。 カレンダー(かれんだー)には、ちいさな マス(ます)が いーーっぱい あります。 「1がつ1にち」「1がつ2にち」…ぜんぶで 365こもマス(ます)が あります。


「みんな、きょうから ともだちじゃな」 「この カレンダー(かれんだー)に、みんなの『おたんじょうび シール(しーる)』を はって いこう。おなじひのこはいるかな」


それを きいた キツネ(きつね)コンタ(こんた)が、「コンコン(こんこん)!」と わらいました。 「ちょうろう、むだだぞ!」


「なんと?」


「だって、カレンダー(かれんだー)マス(ます)は 365こも あるんだぞ!」 「ぼくたちは、たったの 23ぴき!」 「 ぜーったい、みんな 、ばらばら(ばらばら)の おたんじょうびだよ!」


ニャーゴ(にゃーご)も うなずきました。 「たしかにニャ! 365こも あいてるのに、おなじわけないニャ!」 (ニャーゴ(にゃーご)は、おたんじょうびは 23 しか ないから、ぜったい だいじょうぶだと おもったのです)


ちょうろうは、ふぉっふぉっふぉと わらいました。 「そうかのう? では、みておるがよい」


みんなが じゅんばんに シール(しーる)を はって いくと… 「わたし、7がつ7にち です!」(ウサ(うさ)ちゃん) 「ぼく、7がつ7にち です!」(クマ(くま)くん)


「「「えーーっ!?」」」 ニャーゴ(にゃーご)コンタ(こんた)は、めが まんまるに なりました! 「お、おなじだニャ!」 「365こもマス(ます)が あったのに!」


「う、うそだニャ…こんな ぐうぜんが あるなんて…」 「ちょっとかんがえたのと ぜんぜん ちがうニャ!」 ニャーゴ(にゃーご)が びっくり していると、ちょうろうが いいました。


ニャーゴ(にゃーご)や。おぬしは『ぼくと くらべる 22かい』だけだと かんちがい して おったじゃろ?」 「でも、わしが いって いたのは『だれか と だれか』の くみあわせ ぜんぶじゃ。これが 23にん だと、ニャーゴ(にゃーご)ミケ(みけ)ちゃん、ニャーゴ(にゃーご)トラ(とら)くん…こうしてペア(ぺあ)をつくっていくと、ぜんぶで、くらべる チャンス(ちゃんす)は、なんと 253かい も あったんじゃ!」


ちょうろうは、くるくるっと えんぴつを まわして、

みんなの なまえを せんで つなぎはじめました。すると、たしかに253ほんもあります。


「そんなに!?」 ニャーゴ(にゃーご)は おどろきました。 「でも… 253かいでも、たんじょうびは23こだし、365こも マス(ます)が あれば、やっぱり バラバラ(ばらばら)に なる きがするニャ…うーん」


「ふぉっふぉっふぉ」 ちょうろうは、おおきな ふくろを もってきました。 ふくろの なかには、ぜんぶ ちがう もようの ビーだま(びーだま)が 365こ はいっています。 「ニャーゴ(にゃーご)や。この ふくろは、カレンダー(かれんだー)と おなじじゃ」


「さあ、この なかから一つだけある『あたり』の 赤いビーだま(びーだま)を さがす くじびきを しよう」 「めを つぶって、1かいだけ ひいてごらん。あたる かな?」


「うーん…」ニャーゴ(にゃーご)は ふくろを のぞきこみます。 「ビーだま(びーだま)だらけだニャ! 365この なかの 1こ だから、1かい ひいただけじゃ、ぜったい あたんないニャ!」


「うむ。おぬしの ちょっかんは ただしい」 ちょうろうは うなずきました。 「では、もし…」 「『1かい だけ』じゃなくて、『253かい』もひけたら どうじゃ?」


「え!? 253かいも ひいて いいニャ!?」 ニャーゴ(にゃーご)は めを まるく しました。 「365こも あるけど、253かいも さがしたら…」 「それは もう、『あたり』に あたっても、ぜんぜん おかしくないニャ!」


「そうじゃろ!」 ちょうろうは、ポン(ぽん)と ひざを うちました。 「おたんじょうびが おなじなのも おなじことじゃ!」 「おぬしは さいしょ『22かい』しか くじを ひけないと おもって いた」 「でも ほんとうは、『253かい』も くじを ひく チャンス(ちゃんす)が あったんじゃ!」


「そっかーー!」 ニャーゴ(にゃーご)は、こんどこそ なっとく しました。 「ぼくの かんかくが まちがってたのは、『チャンスのかいすう』を かんちがい してたからなんだニャ!」


「ちょっかんと、ほんとうが、ちがうことも、よくあるんだよ。かんがえることもたいせつじゃ」ちょうろうはそういいました。


「ふしぎだけど、ほんとうなんだニャ」ニャーゴ(にゃーご)はそうおもいました。

誕生日のパラドックス。直観との違い。

直観が正しくない体験。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ