ぜんぶあまいかな【帰納法】
こネコの ニャーゴが、おおきな きの したに いました。
その きには、あかい きのみが たくさん なっています。
「うわー、おいしそうだニャ! でも…」
ニャーゴは、まえに すっぱい きのみを たべて、びっくりした ことが あります。
「もし、この きのみが ぜんぶ すっぱかったら どうしようニャ…」
そこへ、ネコノヒゲ ちょうろうが きました。
「ニャーゴや。きのみが たべたいのか?」
「でも、ぜんぶ すっぱいかも しれないニャ! ぜんぶ あまいか、ぜんぶ しらべるまで たべられないニャ!」
ちょうろうは わらいました。
「ぜんぶ しらべるのは たいへんじゃ。そういう ときは、『いくつか』だけ ためして みるんじゃよ」
「いくつか?」
「うむ。まず、その ての とどく えだの みを、ひとつ かじってごらん」
ニャーゴは、ひとつ とって、こわごわ かじりました。
「…あ! あまいニャ!」
「ほう。では、こんどは あっちの したの えだの みを、ひとつ かじってごらん」
ニャーゴは、べつの えだから とって、かじりました。
「…これも あまいニャ!」
「では さいごに、わしが あの うえの えだの みを、ひとつ とってきて やろう」
ちょうろうは、とってきた みを ニャーゴに わたしました。
「…あまい! 3こ とも ぜんぶ あまいニャ!」
ちょうろうは、ニャーゴに ききました。
「さて、ニャーゴ。3こ とも あまかったな。どうおもう?」
ニャーゴは、きに なっている みを ぜんぶ みあげて、いいました。
「わかったニャ!」
「たぶん、この きに なってる みは、ぜーんぶ あまいんだニャ!」
「うむ! そのとおりじゃ」ちょうろうは うなずきました。
「いくつか(いちぶ)を しらべてみて、ぜんぶ おなじ だったなら、『たぶん、ぜんぶ そうだろう』と かんがえる。それも かしこい ちえ なんじゃよ」
「やったー! あまい きのみ、みーつけたニャ!」
ニャーゴは、うれしそうに きのみを ほおばりました。
帰納法




