トメ婆過去編
私はトメ=メイスロード。ストラクチャ王国の公爵令嬢アルフィーネの祖母に当たる。たまに魔導スマホで連絡を取るが、「ばあちゃん、いつ帰ってくるの?」といつも言われる。
そんなこと言われても今は帰れないからなぁ。いつか帰ってもええなぁ。アルフィーネが来る方が早そうじゃがなぁ。
さて、昔を思い出してみるか。ワシはメイスロード公爵家の長女として生まれた。だが、勉強も剣も強すぎて、男の子を負かすことが多すぎて、逆に婚礼につかえんわと王国を体よく追放された。聖女だと祭り上げられながら。
勇者は儂ら女の子を性の対象としか見ていないことが分かった。男にはわからんじゃろうが、下卑た視線というものは、すぐバレるものじゃ。おそらく、性格がダメだから追放されたのじゃろうな。勇者だからといって何をしても良いわけではないのになぁ。
要らないことをしないように、勇者としての務めは、こうすべきと説き伏せたこともよくなかったかのう。勇者がどれほど強かろうと私の敵ではなかった。剣を抜く前に手刀で落とせるぐらいだったからのう。
あるときは回復魔法を掛けながら筋トレにハマったもんじゃ。さらには重力魔法を使って下半身を鍛えたり、上腕二頭筋を鍛えたりしたもんじゃ。我ながら、聖女ではないよなぁ。聖女って可憐なものだからと何度も親に言われたが、そんなこと言われても知らん。勝手なイメージを固めるでない。
さて、魔王城に着いて、勇者は簡単に倒されてしまった。リザレクションをかけて復活させ、王家に送り返し、魔王に謝って近くの村に住むことにした。
余談だが、うちの夫であるジジイは先代魔王の側近じゃった。メガネでかっこいいジジイだったが、今ではすっかりただのジジイじゃ。魔族は年を取らんと聞いたんじゃがなぁ。
勇者が色々してこようとしたが微弱ビリビリを常に仕掛けておいたおかげで汚される事もなく、無事じゃった。魔法使いにも教えると喜ばれた。
そうそう。最近可愛い孫ができた。アリスとかいう娘じゃ。この前、エアコンを直して貰ったが利発な娘じゃなぁ。魔法の使い方も熟練した魔法使いを思わせる程じゃ。どれほど努力をしたのだろうか。
だが、最中に目がないし、コーヒーで眠るとはなかなか可愛い娘じゃ。人は誰しも完璧ではない。ワシも饅頭には目がないからのう。
勇者に「饅頭」と呼ばれたことは今でも根に持っている。そう言えば、トゥウィラカリバーの奴らは元気かのう。どうでもいいものだが。
そう言えば、この前来た王家の中に孫がおったがオヤジギャグ程度で頬を染めるとは若いな。




