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王家裏の策謀

王は怒っていた。


「なぜあんな小娘に負けるんだ」と。


弟子入りしたのはどこの誰だと問いたくなる貴族たちだがそんなことは、おくびにも出さない。ただ、この後の展開はなんとなく読めているのであった。


「勇者を任命して、魔王を倒すように命令しようと思う。良いものは居るか?」

「は、某のせがれエクス=トゥウィラカリバーこそがふさわしくございます。なにせ、トゥウィラカリバー侯爵家の世継ぎですからなぁ」


なんて言いながらトゥウィラカリバー侯爵は「あのバカなら別にいいかなぁ。世継ぎ2番目のヤツのほうが優秀だしなぁ」などと考えていた。


「ほほう。よきものだろうのう。早速、お主の領地を広げてやろう。よく治めよ」


「ははぁ」

王に平伏したものの心の内では「厄介払いできてよかったぁ。アイツばかで使い物にならんからなぁ。あの娘がどこの誰か知らんが、奇想天外な事をしたのはあの娘だろう。魔王がアレより弱いわけないからなぁ」と思っていた。


実際には魔王より数段強いのだがそんなことは知る由もない。


「聖女も見つけなければならんのう。適当にでっち上げてくれんか?あと、魔法使いじゃなぁ」


また、王がろくでもない事を言い出した。5かなぁ?それとも7かなぁと貴族達は現実逃避していた。誰しも自分の子供を死地に追いやりたくない。あー、そういう意味では7だから6では無いなぁとオヤジギャグが浮かぶ貴族達。


「死地だけにナナモン伯爵の娘フローリア様こそ聖女にふさわしいかと」とある貴族が言うと「うちの娘かぁ?まぁ、見目と所作は美しいからなぁ。アイツもサボりがちだからなぁ。良いぞ」とナナモン伯爵が返す。まともな奴が貴族になんてならないのである。いや、長くしてるからこそ、既得権益を手放せないからだ。


「ほう。勇者も聖女も良さそうじゃのう。あとは魔法使いじゃが、うちの娘エリスとかどうじゃ?何かの間違いがあったとしても縁組でどうとでもなるからのう」という王の冗談に、「ははぁ」と貴族たちは平伏した。


明らかにバカとアホの寄せ集め、戦闘技術など2の次3の次になり、至極ろくでもないものが死地に送られるという厄介払いまがいのことが起きていた。


とりあえず組まれた勇者パーティー(笑)は王の城に集められ、豪華な装飾品と豪華な装備、高級料理を持たされて旅立つ事になった。


もちろん、金も大金を持たせて向かわせていた。何のための勇者パーティーかと言うと完全に死地に厄介払いして、万が一魔王倒せたら面白いよね?というノリだった。





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