和菓子
えー。思ったこと。
これ、私いなきゃ回らなくない?これダメだよね。私居なきゃ回らなくなるなら、それって持続可能な開発じゃないもんね。
ということで、始まったのが、これ。
「皆、聖女と勇者だったよね?」
「おう。俺は先々代の勇者やな。そっちのトメ婆と同世代やな」
「孫が世話になったなぁ。元気しよんで?」
「俺はよう知らんけど、うちの婆がよくミカンあげよるわ」
「ほな、元気そうやな。すまんなぁ。昔話に花咲いてしもうて」
「ええじょ。ゆっくりお菓子でもつまみながらしようとおもいよるけん」と私は返す。てか、トメ婆とカジ爺さん親戚だったんかい。先々代勇者の孫に先々代聖女の孫が嫁ぐって何?それ、ただの平和だろ。
魔王倒すテンプレどこいったんだよ。まぁ、ないに越したこと無いけどね。だって、うちのパパだし。あの人小心者だから攻めないしね。拡大が必要な程は消費しないし。
「そういえば、ヒガシヤマのソウイっつぁん、のうなったらしいな」と話すのは私が洗濯機に機能を追加したタロウ爺さん。あれも遠かった。
「ほんな事いよったで?あそこって昔タロウさんの娘さんと揉めたっていうとことちゃうん?ほんな年ちゃうやろ?」
「ほれが、タバコよう吸いよったけんなぁ。吸いすぎるけんいかんのよ」とタロウ爺さん。実の娘の事だからかとても口が悪い。
ここの戦闘力高すぎ問題。元勇者が数人と元聖女数人。ここだけでも国家戦力になるだろう。あかんて。
そろそろ、話進めよう。
「で、今日来てもろうた理由なんやけど、皆にエアコンとかの修理方法教えとこうと思うて。電気とかは消せるやろうけん、良いとして。これから戦時用の家作るつもりやけん、私だけじゃなくてもできるようにしたいんよ」
「アリスちゃんおるけん、アリスちゃんがしたらええんちゃうん?」とトメ婆さん。
「ほれよ。うちもそんなに余裕ないけんのう」とカジ爺さん。
「えー。簡単です。実家にたまに帰って来いとパパが言うので、タイミング被るとめんどい。あと、私の体が1つしかないので、手伝って」と一息で言い切り、その後、「アリスもたまには、パパにお土産持って帰りたいなぁ」と目をうるうるさせてみた。
「わかった」
「ええよ」
「ほれ言われたらやるしかないな」
「勇者の意地見せんとなぁ」
「そこのジジイに負けるわけにはいかんのう」
えー。見事に釣れた。私の価値高いなぁ。そら、エアコン直しただけで聖剣とか聖女のメイスとかくれるわけだわ。おかしいって。
で、エアコンの回路を解説していく。簡単に今日は箱だけ作ったからその箱から温風と冷風が出れば成功。除菌回路難しいけど、浄化魔法を組み込むだけだから簡単なはず。2つともに接続するように魔法陣書く必要あるけど、それぐらい。魔力は別に貯蔵庫あるからそこから繋ぐのでいいし。今回は自分の魔力でしてもらったけど。
で、電力吸い上げる回路は今回魔力で代用してもらってボタンに連動するように回路を書いて、熱と風を連動。冷房ボタンにだけ、水魔法の冷却回路を組み込む。そして、その連動のあと停止時に暖房系にも冷却回路が流れるようにしておいた。その後浄化魔法に付与魔法を組み込んで、除菌回路もつける。魔力消費抑える回路も組み込み方を教えておいた。
「さすが、勇者と聖女。よく魔力使ってるねぇ。慣れてるとこんなに早くできるんだぁ」と私が喜ぶと、爺さん婆さんも「おう。伊達に勇者しとらんわい」とか「そこのジジイよりうまくできたじゃろう」とかそれはもう上機嫌だった。
トメ婆が「これ、皆で食べようと思うて持って来たんよ」とモナカとまんじゅうを取り出していた。
何を隠そう、この私アリスは大のモナカ好きである。というより、和菓子が大好きなのだ。和菓子の魅力の前ではタバコなど無意味なのである。
私がモナカに手を伸ばすと皆一様に自らの手を引いて、微笑ましそうに私を見ていた。
「おいしい」
私としては小さな声で呟いたつもりなのに皆「良かったなぁ」とか「かわええなあ」とか語り合ってるの何?
「アリスちゃん、ここに可愛い跡付いとるじょ」と私の頬に触れるトメ婆。
私は照れて顔を伏せた。
まんじゅうも美味しかった。あれ?皆食べた?
ちなみにその夜体重計に乗った後、私はベッドに寝転がった。




