王家の会議
荘厳な雰囲気を持つ王城の大広間。貴族たちが大勢集っていた。ここ、ストラクチャ王国の貴族たちである。皆一様に目配せをしながら、腹の中を探り合っていた。
「おっほん。今回皆に集まってもらったのは、ほかでもない例の村、サンティーゴシティーの件である。最近何やらけしからん事をしておるようでな」
王の声に皆一様に注目する。
王家は村からの電気代と広大な領地で莫大な利益を得ていた。にもかかわらず、最近では電気を自給しだしたというところでの緊急招集なのである。
「あの村、水力発電あるらしいな」
「そうでごわすか。何やらどこぞにドンがおるでごわすか?」
「違うと思う。けんど、めっそ電気できとらんのちゃうで?水力だけやったらしれとらぁえ」
「それがそうでもないみたいなんだよね。他にも何かあるのかも」
「マジかぁ。とりま潰しとく?攻めて潰せば簡単な話じゃない?占領しちゃえば利益もこちらに来るし、簡単な話でしょ?それとも皆、軍出せないの?」
そう言って煽るように胸を張るのは最近親から譲位され公爵になったアルフィーネ公爵令嬢。
「軍くらい出せるわ。小娘、舐めるでないぞ」
「皆、静粛に。王の御前なるぞ」
皆一様に午前ではなくない?と思っていた。アルフィーネだけがなぜ貴族たちが肩を震わせているのか分からなかった。現在、1時。昼飯時である。
そう。貴族も40代が多くオヤジギャグが大好きな世代なのである。
「えー、攻めるか?兵力はいかがする。イカがするわけにもいかんじゃろうて。皆のもの、行かんかの?」
「恐れながら敵の兵力がわからぬ以上兵を出すのは得策ではないかと」
と肩を震わせながら答えるコンストラクション侯爵に皆、笑いをこらえていた。
皆一様に「イカのコンボはだめだろう」と考えていた。アルフィーネは1人だけ10代のため、何が面白いのか全く分からなかった。
「恐れながら、陛下。わたくしは攻めるべきだと思いますわ。理由は2つございます。1つ目、勇者や聖女がいるからとはいえ、人口自体は少ないわけですから兵力は十分なこと。2つ目は攻めて潰せば占領も可能で更なる収益が見込めることでございます。以上より攻めるべきだと存じますが、皆様いかがでしょうか?如何でもいいわけですけども」
「気に入った。とくに最後の「いかでも良い」が気に入った。よし、攻めよう。この戦に「行くさ」と言えるものを重用しよう」
「「「行くさ」」」
貴族皆立ち上がり、表情を変えずに声をそろえる。出世のためと知りながらもアルフィーネだけは頬を染めていた。さすがに10代にはオヤジギャグは恥ずかしいのである。
こうして、王家は攻めることに決めたわけだが、村にいるアリスは何も知らないのである。




