第二章 プロローグ
短めですが第二章の始まりです。
………………あれ?…………何処だろ、ここ?……すげー真っ暗だし、何の音も聞こえない……ははん、どうせまた夢の中か。こうして考えてみると俺ってよく夢を見てるんだな。まぁ、俺のことだから起きたら何も覚えてないってオチだろーけど。まぁ、それはともかく今日は大変だったわ。だってさ、だって…………だって、何だっけ?
「ーーーーー。」
……ん?
「ーーーーー。」
……遠くの方で微かに"声"が聞こえる。
「ーーーーー。」
……とても懐かしいような、それでいてとても切ないような。そんなどの言葉にも言い表せないような、とても愛おしい"声"。
「ーーーーーーーめ!」
……め?
「いい加減に起きぬか!この変態童め!」
「ぎゃん!」
……ん?おでこ痛い?誰か叩いた?
「あ!ゆ、優記くん、おはよう」
「………………んぁ?…………おぅ……お、おはよう七海……あれ?今日は俺の部屋の中まで入ってきて起こしにきてくれたの……か?ありがとうな!……でも俺も一応思春期の男の子っていうか……み、見られたくないものもちょっぴりあったりとかもするから……まぁ、七海がどーしても見たいって言うなら……お、俺と一緒に見るか?」
「何をぶつくさ言いながらいつまでも寝ぼけておるのじゃ!この変態童めが!」
…………っ?何だかとても羞恥心を擽られるようなナイスネーミングだけど……え?それって俺のこと!?
「ふぅ……よ、良かった。わたしが気が付いてからも全然、優記くん起きてこないから、す、すごい疲れて熟睡してるのかなって」
「いやいや、死んでる可能性もありますよ?七海さん」
「……ゆ、優記くんは絶対に死なないよ?」
え?俺って不死者だったの?ノスフェラトゥ的な感じ?
「あぁ。俺は死なないよ。だって守りたい人がそこにいるから……」
「す、すごい!」
……何がすごいのか是非とも教えていただきたい!
「…………いつまで戯れておるのじゃ!少しは自分達の身に何が起こったのか確かめる事ぐらいせい!」
「「……はいっ!!」」
……はぁ、夢ならばどれほど良かったでしょう。て感じ?