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サボっている訳ではない


 屋敷の警備を任されているジョーは、今日も巡回がてらメイドに声をかけている。


 ディーンの愛娘、ティアラの身の回りに関する情報収集だ。


 従順な彼女は、屋敷にほぼ軟禁状態にも関わらず、授業をサボったり、屋敷から逃げ出した事は一度もない。むしろ家庭教師の授業を楽しみにしているようだ。


 なので、問題は無さそうだが、油断は禁物だ。セオドラの王国一の美貌を見事に受け継いでいる彼女を狙う輩は多いのだ。


 今日は午前の家庭教師が急に来られなくなったらしい。何をするのか把握しなければ。本人に直接聞くのが手っ取り早いのだが、ディーンに自分から声をかける事を禁止されている。




 こんなにがんじがらめに箱にしまわれて、可哀想だ。いつか俺がどっか連れてってあげたい。


 ティアラに気づかれないように、距離をとりながら尾行する。向かっているのは執務室のようだ。どうやらセオドラと話をしに行きたいらしい。途中、庭園デートを断られたオリバーの、静かに落ち込む姿が面白かった。





 執務室の壁に耳を当て、聞き耳を立てる。



 「お母様、ジョーの事なんだけど……」


 思いがけず自分の事が話題になり驚く。


 ーー俺の話?! 参ったな……惚れられてたらどうしよう?ああ、俺って何もしなくてもとことんモテてしまう、罪な男だ。まぁ、年下もアリだな。もし付き合うってなったら……


 団長に八つ裂きにされるな。いや、でも愛娘が好きになった男なんだから、それなりの配慮があるかもしれない。



 「あれってサボリじゃないのかしら? フットワーク軽すぎない??」


 「……ティアラは、ジョーの事が気になっているのね」


 ……ん?


 好き、どころか、ちょっと嫌われて無いか?? 



 メイドやご令嬢との件も、誤解を解いてほしいジョーだった。


 

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