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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
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第五十二話 グループ結成

九条先生に連れてこられたのは生徒会室。

「失礼する」といって先生がドアを開き、室内へ入る。涼介も先生の後ろをついて歩き「失礼します」と言って入る。


「九条先生……それに矢野君」


黒羽会長が二人の名前を呼ぶ。


「生徒会に何か御用ですか?」


質問したのは白露副会長だった。


「今お前ら二人だけか?」

「はい。他のメンバーは音楽祭実行委員会の会議に行かせました。」

「ちょうどよかった。なぁ、お前らは音楽祭に参加するのか?」

「いえ……。それ関連の書類整理がありますので、特にその予定は……」

「私も会長の補佐をしていますので参加は考えてませんけど……」


生徒会のトップ二人は音楽祭に参加しないらしい。確かに、どちらかと言えば生徒会は実行委員側の立場だろう。涼介たちが来るまで、会長たちは参加チームの申請書に許可の印鑑を押していた。


「なら、シークレット参加ということで、私たちと一緒に出ないか?」

「「え?」」

「は!?」


生徒会の二人はお互いに顔を見合わせる。

涼介はそうなる予感はしており身構えていたが、生徒会の人と一緒に出るとは思ってもみなかったため驚きのあまり声が出てしまった。


「お前ら二人がボーカル兼ギターで、私がベース、涼介(コイツ)がドラム、キーボードは響子にやらせる」

「響子って、保健の寺島先生ですか?」


黒羽会長も急なことに驚きながら質問する。


「ああ。どうだ?」


先生にどうだと聞かれ、二人は再度顔を見合わせた。

再び会長が口を開く。


「矢野君は、それで参加するの……?」

「俺は……」

「ああ、コイツに拒否権は無いから安心しろ」


涼介が自分の意見を言う前に先生が代弁した。


「なっ!?」

「何か文句あるか?」


先生の鋭い威圧に涼介は負け「無いです」と返事するしかなかった。


「どうする穂乃香……?」

「私は、朱莉ちゃんが良ければやってみたいな。三年で、行事ごとは全部最後だから。」

「そっか……」


少し寂しそうな顔をしながら答えた白露の言葉に会長の気持ちが揺れ動く。そして、


「じゃあやってみましょうか」

「よし、決まりだな。教師と生徒会が組むなんて始まる前に知られたら面白くないから、当日まで生徒には話すなよ?」

「わかりました。それで、何の曲をしますか?」

「ほら、今有名な女性アイドル二人のユニットがあるだろ?名前は……ええっと……」

「Twinkle☆Twinkleですね?」


先生が思い出そうとしていると涼介が答える。


「そう!それだ!」

「矢野君、知ってるの?」


会長が涼介に聞く。涼介がアイドルを知っていたとは思わなかったのだろう。


「はい。妹が好きなんですよ。」

「妹さんいるんだ……」

「それで先生。Twinkle☆Twinkleとなると、やはりCMで流れてるあの曲をするんですか?」

「そうだ。それに加えあともう一曲何かやろうと思っている。どうだ?」


生徒会の二人に先生が賛同を求める。


「それだったら知らない訳じゃないですし、私はいいですよ」

「私も、楽しそうだから構いませんよ」


先に答えたのは白露だった。後を追って会長も賛同する。


「よし、曲も決まりだな。誘っておいてなんだが、お前たちは練習時間が取れそうか?」

「生徒会は17時までは活動しなければならないので、短い時間になりますがそれ以降の時間であれば練習できます。」

「なるほど。じゃあ今週は個人練習にして、来週から少しずつ合わせ始めよう。いきなり集まっても生徒に見つかり兼ねんからな。」

「「「わかりました」」」

「それじゃ、私は響子の所に行ってくる。また来週な」


先生が先に生徒会室から出ていく。涼介は生徒会に取り残された。


「矢野君も大変ね。」


そう労いの言葉をかけたは会長だった。先生の「コイツに拒否権は無い」という発言から状況を察したのだろう。


「生徒会のお二人に比べれば大したことないですよ。」

「そっか。じゃあ音楽祭に向けてよろしく頼むわ」

「私からも、よろしく!」

「わかりました」


実行委員会の会議が終わって他の生徒会メンバーが戻ってこないうちに涼介も退出して下校した。



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