第四十六話 中間試験(後編)
私生活が忙しくなり、ここ二日執筆を怠ってしまいました。
すみません。
物語の質を落としたくないため、無理な執筆は避けています。
ですので、時々更新が無い日が出てくるかもしれません。
何卒よろしくお願いします。
時間は数日遡り中間テスト初日の数学Ⅰのテスト時間中。
涼介のいる6組の生徒は問題を解いている途中、高得点が期待できると思っていたが最終問題の入試の過去問に動揺した。試験開始直後、しばらくクラスメイト達が解答を書くペンの音が教室内に響いていたが、最終問題に直面したごろから教室内は静かになり始めた。試験終了十分前ほどであった。
涼介はその時間、周りを見てカンニングと疑われぬよう気配を悟ってみんなが入試問題に直面し始めたのを知る。涼介は全ての問題を試験時間の半分ほどで解答し終えているため下を向いて時間が経つのを待っていた。
実は涼介も高校の定期試験で大学の入試問題が出題されるのには少しは驚いた。だが……
(ほう……大学の入試問題か。これは……)
涼介は問題文を読んでいる途中である事実に気づく。
(慶聡大、'08年数学の大問二の問題だな。)
そして問題文の最後まで読むと、'08 慶聡大と書かれていたので「やはりか」と涼介は思う。
そこからの涼介の行動は速かった。問題は図形問題で図形は問題用紙には描かれておらず、問題文から自分で推測して図形を書き、そこで考えながら問題を解く、というのがセオリーの解き方だが、涼介はいきなり解答用紙に途中式を書き始め答えを記入する。
一分もかからないうちに涼介は解答し終えた。
試験の残りの時間、涼介は問題を見直すことなどせずただ単に時間が経過するのを待っていた。
次の時間の試験も、日をまたいで次の日の試験にも入試の過去問が出題されていく。生徒たちは「またか」「分かるわけねーだろ」と思ったりするが涼介だけは違う反応を示す。
(これは'15年早羽大の大問四……)
(この教科は結構古いものを引っ張り出したか。'94年東大大問三か)
涼介はことごとく問題文を読んでいる途中で何年度のどこの大学の何問目かを当てていく。そしてその度に思考過程を経ず淡々と解答を書き記していく。
こうして涼介の中間試験は終了した。
***
試験最終日。最後の科目の試験を受け終え、生徒たちは解放感に満たされる。
「やっと終わったー!」
「俺も終わったー!ただし俺の『終わった』はテストの『終わり』と成績の『終わり』の掛詞だけどな……」
最後の試験科目が古典だからなのだろうか、古文の掛詞にちなんでそんな話をしている生徒がいる。
「涼介君、出来はどう?」
隣の席に座っている瑠美が声を掛けてくる。
「まぁ、ぼちぼちと言ったところだな。瑠美はどうだ?」
「大学の過去問には驚いちゃったけど、それ以外はまずまずって感じかな!」
「そうか」
「で、アンタはどうなのよ?」
瑠美は今度、後ろを向いて和也へ話しかける。
「ん?あぁ、俺は、まぁ、終わったって感じだ……」
「それって掛詞?」
「そうだったりする……」
二人は先程その話をしていたクラスメイトの会話を聞いていたため、掛詞という言葉を使った会話が成立している。
「みんなお疲れー!どうだった?」
三人の元に青山が合流してくる。
「私と涼介君はとりあえず大丈夫って感じだよ。この馬鹿は、様子を見て察して欲しいわ」
机に突っ伏している和也を見て青山は苦笑いする。
「ねぇみんな、一緒にお昼食べない?お昼から部活だから、お弁当持ってきてるんだけど……」
「あっ、アタシも午後から部活だからお昼は一緒に食べるよ!涼介君たちは?」
「俺たちは今日部活休みだから午前上がりで帰ろうと思ったが、二人がここで昼食をとるなら俺は購買で買って一緒に食べるよ。和也はどうする?」
「今は食欲より睡眠欲の方が勝っていてよ……。今回も悪いけど先帰るわ。」
今日の午後は授業が無い。午前中に最後の試験を行ってここで今日の学校は終了である。試験による部活動禁止令は今日で解除されるので、昼食をとって午後から部活動を再開する部が多いだろう。
涼介は今日の昼食の時間は瑠美と青山と一緒に過ごすことにした。和也は一夜漬けの反動で睡眠を欲しているため、先に帰った。
「じゃあ俺は購買へ行ってくるよ。二人とも先に食べ始めててくれ。」
「おっけー」
「わかった!」
階段を降り、和也は購買へ向かう。その道中、偶然なのか、向こうが涼介を探していたからなのかは分からないが藤堂と出くわした。
「試験お疲れ?どうだい君の出来具合は?ちなみに僕は完璧にほぼ等しいよ。」
「答案が返ってこなけらば点数は分からない。」
「ふっ、そうか。では全ての解答用紙が帰ってきたら連絡しに行くよ。それじゃ。」
藤堂は涼介の反応を見て確信する。勝った、と。
(ふっ、勝ったな。出来具合で俺と張り合おうとしない時点でアイツの負けだ。)
涼介は藤堂の言葉を聞き確信する。勝った、と。
(藤堂はほぼ完璧と言った。つまり完璧ではない。あいつでも大学入試の過去問を解ける学力は身についていなかったか。)
涼介は購買で適当にパンや飲み物を購入し、教室に戻って瑠美と青山と昼食を共にする。昼休み終了前に二人は部活に向かったので、涼介はそれと同時に下校を始めた。
今回も読んでいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。
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