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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
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第四十三話 戦い前の会話

今回はいつもより字数が少ないですが、よろしくお願いします。

4月の第三週目へと突入した。

先週で全科目の授業が進み始め、学校の雰囲気にも生徒たちは慣れ始めており気が緩みだす時期であった。居眠りをし始める生徒が目立ち始め、教員によっては注意を受けていた。それでも教員の注意が緩ければ再び眠り始める生徒もいた。だが、九条先生の授業だけは居眠りする者が現れなくなった。


その出来事は火曜日の五限目であった。生徒たちは昼食を取り終わった直後であったため、眠くなる人の数が最も多くなった。そして涼介の一番後ろに座っている和也は居眠りしても気づかれないと思っていた。目の前には背が高めの涼介が座っている。図体の大きい和也でも顔だけならば隠せると思っていたのである。そうして居眠りをし始めようと寝かかった瞬間、和也の額に白色のチョークが飛んでくる。


「いって!?なんだ!?」

「寝るな愚か者!」


和也が注意をしてきた九条先生の方を見る。先生は右腕を伸ばし、手先の指は曲がった状態だった。つまり、先生が和也の額に正確無比にチョークを投げつけたのである。和也の席は一番後ろ。一番後ろであっても先生の目から逃れることはできず、もし眠ろうものならチョークが飛んでくる。先生の恐ろしさとその事実をクラスの生徒全員が覚え、以降居眠りをする生徒はほぼいなくなり、特に九条先生の授業ではいくら眠気が襲ってきても死ぬ気で起き続けると生徒たちは決心した。


そんな感じで3週、4週目が過ぎていき、ゴールデンウィークへ突入する。


今年のゴールデンウィークの期間は二週間もあった。初日前日の金曜日の昼休み、瑠美がみんなで遊びたかったが部活で全部埋まると言うと、青山も部活で忙しいと言い、和也は兄の大学のフットサルサークルに兄と参加すると答えた。故に涼介は遊ぶ相手が見つからなく、予定が二週間丸々空くことになったのでいつもの休日通り朝は早起きしてランニングをし、夕方までは道場で過ごし、夜は勉強をするというサイクルを送っていた。


毎日顔を出していると霧島先生に「友達と出かけたりしないのか?」と言われ、涼介は事情を話した。毎日顔を出すつもりであると涼介が言うと「一日、二日くらいは体を休めろ。」と指示されたため、涼介は自分で作った休日は家族と過ごした。家族と過ごす言っても父親と母親は仕事でいなかったため、受験勉強をしている妹の息抜きに付き合ってショッピングに行った程度である。


という具合に涼介はゴールデンウィークをほぼ毎日、同じような日課で過ごしていたため、あっという間に時は流れて学校が始まった。

ゴールデンウィークを挟んでも相変わらず授業は進んでいく。そしてその週末、中間試験の試験範囲が公表された。一週間後に中間試験が始まるのである。


昼休み、涼介が手洗いに行った帰りに藤堂が現れた。


「やぁ。約束は、覚えてくれてるかな?」

「あぁ。」

「それは良かった。テストを受け終わった後の成績発表が楽しみだよ。」


白雲高校の試験結果はどこかに張り出されたりはしない。その代わり、各自に各教科の点数をまとめた点数表と平均値やどの点数に生徒が集まっているかがグラフ化されたプリントが配られる。


「中間試験の成績返却後、各教科の解答用紙を持って空き教室へ来い。逃げるなよ?」


藤堂は涼介とのすれ違いざまに涼介の耳元で余裕を表すような声でそう話した。


次回から中間試験編を書き始めます。

よろしくお願いします。

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