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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
36/54

第三十五話 部活動・人生ゲームーその10ー

ターン15終了時点

和也

職業:メダリスト

所持金:21万6000ドル

家:マンション(2万ドル)


九条先生

職業:タレント

所持金:27万1000ドル

家:一軒家(4万ドル)

備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)


神野先輩

職業:三ツ星パティシエ

所持金:29万7000ドル

家:一軒家(2万5000ドル)

備考:子供一人


涼介

職業:有名医師

所持金:35万8000ドル

家:一軒家(5万ドル)

備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)


全員共通:生命保険・火災保険


先頭順:涼介→先輩→和也 先生→カジノルート(終了)

―――――――――――


ターン16


このターンで九条先生はカジノルートを終えたため、涼介達のルートに合流する。しかし先生は先頭の涼介とは7マス差が開いてしまっている。それは和也にも言えることであった。


「少し涼介と差が開いちまってるな……今から追いついてやるぜ!」


和也は9の数字を出した。


『飛び入りで釣り大会に参加し、大物を釣り上げて優勝。賞金5万ドルを獲得する。』


「おっしゃあ!ようやくまともなマスに着いた気がするぜ……!」

「私も、給料以外でお前に金を渡すのは初めてのような気がする。」


先生はそう言いながら和也にお金を渡す。そして和也の番は終わり、先生のターンが端まる。先生はカジノルートの抜け道マスである給料日マスに駒を進め、給料のルーレットを始める。今回は4が出たため、給料は2万ドルとなった。給料を得たところで、今度は進むためのルーレットを回す。出た数字は6。


『子供が金メダルを獲得。子供がいればお宝「金メダル」を獲得する。』


「子供がいればって、先生に子供は……」


先生が内容を読み上げると和也が先生の(コマ)を見る。しかし先生の車には大人二人しか乗っていない。つまり、今回のイベントは無効となる。


「子供は乗せていない。故に無効になるな。」

「なんかもったいないっすね……」

「まぁ金を失わなかっただけマシだ。」


こうして先生の番は終わり、先輩へ替わる。


「矢野君とは今僅差ですから、ここでどちらかが小さな数字を出すと差が変わってきますね。」

「そうですね。では回してみてください、先輩。」

「はい、いきますね」


先輩は7というまぁまぁ大きな数字を出した。


『給料日』


シンプルな給料日マスへ辿り着いた。何かの保険加入という内容は無かった。先輩は先生から給料の分お金をもらい、ターンを終える。


「私は7を出しましたよ。それでは矢野君、どうぞ」

「はい。失礼します。」


涼介もルーレットを回す。10を出した。これで先輩との差はまた少し広がってしまった。先輩を追い越す際、給料日マスを通過することとなったので、給料を先生からもらって進む。


『ペットが財布を見つける。5万ドルもらう。』


「ということで先生、いただけますか?」

「お前、落ちてた財布猫糞するのか……」

「現実だとしませんよ。ですがこれはゲームですし、拒否する選択肢もありません。俺はルールに受け取るんです。」

「ふぅーん……」


先生はジド目で涼介を見つめながら5万ドル渡す。受け取った後も涼介はじーっと見られ続けた。


―――――――――――

ターン16終了時点

和也

職業:メダリスト

所持金:26万6000ドル

家:マンション(2万ドル)


九条先生

職業:タレント

所持金:27万1000ドル

家:一軒家(4万ドル)

備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)


神野先輩

職業:三ツ星パティシエ

所持金:34万2000ドル

家:一軒家(2万5000ドル)

備考:子供一人


涼介

職業:有名医師

所持金:46万8000ドル

家:一軒家(5万ドル)

備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)


全員共通:生命保険・火災保険


先頭順:涼介→先輩→和也→先生

―――――――――――


ターン17


全員凄まじい勢いでお金が増えていく。その中でも涼介は飛び抜けていた。その涼介の駒の近くのマスに最後のストップマスが存在する。九条先生は10を出してもまだ辿り着かなさそうだが、和也は大きな数字を出せば届きそうで、涼介と先輩は小さすぎない数さえ出さなければ届きそうである。涼介がターンを終了し、和也のターンになる。いつもの様に意気込んで回し、7が出た。途中で給料日を通過したので和也も給料をもらってから進む。そして涼介の一マス後ろで止まった。


『子供が結婚する。みんなからお祝い金で1万ドルずつもらい、子供を一人車から降ろす。なお、子供がいない場合は無効となる。』


「何っ!?俺も子供なんて乗せてねえぜ!今度は俺がイベントなしで終わる番か……」

「先ほどの私の金メダルイベントと言い、意外と子供の存在は止まるマスによっては大きいな。では私の番を始める。」


先生は先頭の涼介と11マス離れている。


(くそっ、離れすぎているな……。一か八か10を狙ってみるか……!)


先生は不自然に思われないよう10のマスに針を合わせ、ルーレットを回し始める。涼介は先生の回したルーレットを見た。


(10を狙ったか。だがその回転では届かんな……。それに10マス進んでも和也と追突することになる。俺に追いつこうとして周りが見えていないようだな……)


ルーレットが止まり、針は9を示していた。


(回転が少し足りなかったか!でも9マスは進める!)


先生は駒を進ませ始め途中で給料日があったので、給料を決めるためにもう一度ルーレットを回す。


(微調整は難しいが、今(まわ)した感覚なら覚えている。つまり……)


先生は針を1に合わせてから回し始め、10を出すことに成功した。


「おお!給料ルーレットで久々に10っすね!」

「ここで運が働いたのは助かった。みんな急激に金が増え始めているからな。」

(求める数字の一つ前で止まるクセを利用したか……。ずる賢い人だな。)


10が出たことによって、先生はタレント最大の給料である5万ドルを手持ちに加え、再び駒を進める。和也の一つ後ろで止まった。


(っ!10を出していればコイツに激突していたのか……。周りを見てなかったな。それで、このマスの内容は……)


『「仕返し」誰かから10万ドルもらう。それか一回休みにさせる。』


「仕返し!?えげつねえマスだなこれ!?」


その内容に和也は騒ぎ、先輩は手で口を隠している。

先生はそのマスの内容を読んだ瞬間どうするかを決めた。

まずお金を取るか、それとも一回休みにさせるか。圧倒的な距離差ができていれば一回休ませることを選択したかもしれないが、先生は先頭に追いつきつつあり、なおかつすぐそばにストップマスがある。つまり追いつき、追い越すのは難しいことではないのである。となるとこの二択は10万ドルを奪うという選択肢が正解。

次に誰から取るか。それは簡単である。一位の涼介から奪うべきである。圧倒的な財力を誇っているため彼がお金を失い、逆に先生がお金を増やすという行動をとらなければ先生は涼介に並ぶことができない。よってこの内容の解答は……


「私は、矢野から10万ドルを奪う!」

「おっ、俺じゃなくてよかったぁ……」

「お気の毒ですが、私も選ばれなくて助かりました……」

「まぁ、仕方ないですね。現状一位の俺からその選択をするのは。」


言葉では納得しているが涼介は頭の中では納得していない。


(俺がこのマスに止まって先生に10万ドル払わせていれば先生に勝つことは決まっていただろうが、その内容の酷さ故に俺は無視したんだがな。成り行きでこのマスに止まったとは言え、容赦ないなこの人……)


「さぁ矢野!10万ドル渡せ」

「わかりました」


涼介は手持ちから10万ドル数え、先生へ渡した。


「すまないな。悪く思わないでくれ」


確かに少し残酷なイベントであり、それに「仕返し」という内容にそぐわない。先生も多少悪気を覚えたため涼介からお金を受け取った際軽く誤った。


「待たせたな。神野、始めていいぞ。」

「わかりました。」


先輩は駒の位置では現状最下位。だがそう遠くない所に三人の駒はあるため追いつくことはできそうである。止まるマスの内容に注意して進みたいところである。

先輩はルーレットを回し、2を出してしまった。これでは追い越すどころか、三番手の先生に追いつくこともできない。


『家をリフォームする。持っている家の金額の分、お金を払う。』


先輩の家は2万5000ドルの価値。つまり2万5000ドル支払うことになる。


「あまり高くないお家で良かった……」


先輩は安堵のため息をつき、先生にお金を渡した。


「俺の番になったので、始めます。」


今回出した数字は3。小さくはあるが、ストップマスへ辿り着いた。

今回のストップマスの内容は決算で、以下の事項が記載されていた。


・子供の人数×3万ドルもらう。

・約束手形があれば一枚につき2万5000ドルで払う。

・払えない場合はお宝を売る。


※それでも払えなければ「人生最大の賭け」をする。


「人生最大の賭け」

数字を一つ宣言し、ルーレットを回す。当たれば50万ドル手に入れ、出なかった場合は開拓地へ移動する。


「開拓地」

自分のターンが来るたびに、一回ルーレットを回し、出た数×1000ドルの援助金を得る。



つまり、今回のストップマスは借金を抱えている者を整理するのが目的である。今のところ、全員借金を抱えていないため関係のない話であろう。関係あるのは子供がいるかいないか。それでお金の差を広げることができる。


「俺は二人子供がいるので、6万ドル頂きます。」


子供を持っていない和也が、


「ここでも子供による有利不利が生まれるんだな?」


と言う。一方涼介にお金を請求されている先生は考え事をしていた。


(こいつ、終盤の決算のことまで考えて子供を増やしたのか!?奴が子供を乗せ始めたのは序盤の数ターン目……。だとしたら序盤から既にルーレットをコントロールしていたのか?序盤で考えると、一ターン目の職業選びでタレントに匹敵する医者を引いたのは狙っていたのか?タレントにすると給料日で毎回10を出すと不自然だしな。いや待てよ、矢野は分かれ道で出費の高い遊園地ルートへ行っていた……。)


「先生?」


先生が黙り込んでいるため涼介は尋ねる。


「あっ、あぁ悪い。ぼーっとしていた。今金を用意する」


急いで先生は6万ドル用意し、涼介へ渡した。


―――――――――――

ターン17終了時点

和也

職業:メダリスト

所持金:32万1000ドル

家:マンション(2万ドル)


九条先生

職業:タレント

所持金:42万1000ドル

家:一軒家(4万ドル)

備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)


神野先輩

職業:三ツ星パティシエ

所持金:31万7000ドル

家:一軒家(2万5000ドル)

備考:子供一人


涼介

職業:有名医師

所持金:42万8000ドル

家:一軒家(5万ドル)

備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)


全員共通:生命保険・火災保険


先頭順:涼介→和也→先生→先輩

―――――――――――




所持金の観点では、涼介対先生、和也対先輩、という構図になりましたね。

次回もよろしくお願いします。

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