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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
34/54

第三十三話 部活動・人生ゲームーその8ー

ターン11終了時点

和也

職業:スポーツ選手

所持金:8万1000ドル

家:一軒家(4万ドル)


九条先生

職業:タレント

所持金:12万6000ドル

家:マンション(2万ドル)

備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)


神野先輩

職業:三ツ星パティシエ

所持金:6万7000ドル

家:一軒家(2万5000ドル)

備考:子供一人


涼介

職業:有名医師

所持金:14万8000ドル

家:一軒家(5万ドル)

備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)


全員共通:生命保険・火災保険


先頭順:先生→涼介→先輩→和也

―――――――――――


ターン12


現在の先頭は九条先生。少し後ろに和也、そこからまた距離が開いて神野先輩、和也と並んでいる。先輩と和也はそろそろ大きな数字を出さないと先頭の先生に追いつくのは厳しくなってくる。

和也はそのことを理解してルーレットを回した。和也にしては珍しく、10が出た。


「おっしゃぁ!ジョブチェンジできなかったけど、こっから一気に挽回だぜ!」


少し進むと給料日マスに辿り着き、先生からお金を受け取る。そこからトントントン、とテンポよく駒を進め10マス目に辿り着く。


『家族のよしみで左隣の人と家を交換する。』


「家を……交換!?んで左隣の人って……」

「ふっ、私だな」

「ちょっと待ってください!先生の家って、二万ドルのマンションっすよね!?」

「あぁそうだ。お前のは4万ドルの一軒家だったな?」

「先生、その二万ドルの差はシャレになんないですって!」


物件は最後の集計の時、三倍の額として計算される。つまり二万の差が六万の差になるということである。


「山本。お前はつくづく私の役に立ってくれるなぁ?」

「役に立ちたくて立ってるんじゃないっすよ……」


こうして両者は互いの家の旗を交換し、物件高官は成立した。


「さて、私の番だな。回すぞ。」


先生の出した数字は7。途中で給料日マスを通過するため、給料決めのルーレットを回す。

さすがに10は出なかったが、8が出て給料は4万と高い。

そして今回の給料日は5000ドルの代償で自動車保険に加入することができる。


「自動車保険か……。まぁ別に入らなくてもいいな。私は加入しない。」


先生は加入しなかった。残りの数、駒を進めようとするが、その先はストップマスであった。


『ルーレットを回し、出た数が奇数ならばカジノルート、偶数ならば通常ルートに進行方向が決まる。決めた後はこの場で待機し、次の番から進行方向へ進む。』


「また分岐ルートだが、今回は少し違うな?」


九条先生は分岐ルートの状況を見る。

今回の分岐ルートはカジノルートと通常ルートに分かれている。カジノルートは三マスだけだが、一歩ずつしか進めないため必ず三ターン消費する。一方通常ルートは今まで通って来た道とシステムは変わらない。8マスしかないため、大きな数字を出せば一気に通過でき、カジノルートの人と距離の差を広げることができる。カジノルートの人は、三マス進み終えると、通常ルートの給料日マスに合流する。


「カジノルートの方が通過するのにターン数がかかりそうですね。」

「あぁ。それにギャンブルだから必ず出費しなくてはならない。もちろんリターンがあるが、この終盤で距離差ができると挽回できなくなる。行くとすれば通常ルートの方が良さそうだな。」


分岐ルートやイベントが発生したりすると涼介と先生が分析するため、それを解説として和也と先輩は聞く。


「状況整理はこれくらいか。よし、回す。」


先生は今回三度目のルーレットを回した。出た数は3、奇数。つまりカジノルートである。


「ちっ、引いてしまったか!すぐ後ろの矢野が追い付いて通常ルートに行かれると差ができてしまうな……!」

「残念でしたね、先生。カジノで稼げるといいですね。」

「心にもないことを……。だがお前がこっち側に来ないとはまだ決まってないぞ」


九条先生は感づいている。涼介がルーレットをコントロールできるのではないかと。そう思っている中で苦し紛れの言葉を言った。涼介は少し鼻で笑って先生に話す。


「そうですね。まだ決まってはいませんね。すぐに分かる結果ではありますが」


今は先生の番であり、その次が先輩、そして涼介と続く。涼介の番はもうすぐである。


「生意気な奴め……。神野、始めていいぞ。」

「あっ、はい。では……」


先生に促され先輩はルーレットを回す。先輩は8を出した。

一マス進むと給料日マスであるため、給料を先生から受け取り、プレイを再開した。


『友人に誕生日プレゼントをあげる。1万ドル払う。』


「給料が増えたのはいいですが、一万ドルであっても痛手ですね……」


先輩は先生にお金を渡し、自身のターンを終える。


「では、始めます。」


涼介のターンである。出した数は9。

ストップマスの手前で給料日マスに着き、先生から給料をもらう。


「お前、自動車保険はどうする?」

「俺も入らないことにします。」

「わかった」


涼介も自動車保険に加入しなかった。そしてストップマスへ着く。


「進路決めのルーレットを回します。」


二度のルーレットを回す。針が示す数は6。偶数なので通常ルートに進行方向は決まった。


「どうやら、先生とは別ルートのようですね。」


軽い笑みを涼介は浮かべ、先生に目線を送る。

一方で先生は歯を嚙みしめて涼介を睨む。


(分かってはいた。分かってはいたのだがな……。もしかしたらと思って期待してしまう。奴の力はまだ偶然とごまかしきれるが、やはり運ではなく奴自身の力でゲームを動かしている気がしてならんな……)


―――――――――――

ターン12終了時点

和也

職業:スポーツ選手

所持金:12万1000ドル

家:マンション(2万ドル)


九条先生

職業:タレント

所持金:16万6000ドル

家:一軒家(4万ドル)

備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)


神野先輩

職業:三ツ星パティシエ

所持金:10万2000ドル

家:一軒家(2万5000ドル)

備考:子供一人


涼介

職業:有名医師

所持金:20万8000ドル

家:一軒家(5万ドル)

備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)


全員共通:生命保険・火災保険


先頭順:先生・涼介→先輩→和也

―――――――――――


ターン13


ストップマスがあることで、和也と神野先輩は追いつくなら今しかないと考える。

二人の距離からストップマスまでは数マスほどしか空いていない。5以上が出れば確実にストップマスへ辿り着く。


「いったん追いついとかねえとな。いくぜ!」


和也の手によって勢いよくルーレットは回る。徐々にスピードは緩んでいき、8の数字で止まった。早く追いつきたいがためにストップマスへ急ぐが、手前の給料日マスで一旦止まり、給料を獲得しなければならない。和也は先生から給料をもらう際、聞かれる。


「お前、自動車保険は入るか?」

「そっすねー。俺一度先生に車をぶつけた恐怖が身に染みてるんで、俺は加入します……」

「なるほどな。では5000ドル払え。」


和也は一度先生と追突しており、その際最高額の賠償金額、一万ドルを支払っている。和也の中で軽くトラウマになっているのかもしれない。

もう二度と賠償金を払いたくないため、和也は先生に5000ドル渡して自動車保険へ加入し、券を受け取った。


「よし、じゃあ進みますね」


和也の駒はストップマスへ辿り着いた。そして例によってルーレットを回す。出た数字は偶数の2、和也も通常ルートへ進行方向が決まった。


「ふぅ。とりあえずこれで一安心だぜ……」

「では私の番だな」


先生はルーレットを回さず、駒を一マスだけ進める。カジノルートのルールである。最初のカジノはルーレットであった。


『「ルーレット」 ルーレットの数字を一つ決める。賭け金(5000ドル~5万ドル)を決め、右隣の人にルーレットを回してもらう。当たれば賭け金の10倍の額をもらう。』


「最低でも5000ドル賭けねばならんのか……」

「まさにカジノって感じですね」

「で、右隣というのは……」


九条先生は自分の右隣を見る。そこに座っていたのは……


「おっ、俺っすか!?」


和也であった。


「おい山本、絶対に外すなよ?外したらシバくからな?」

「そっ、そんな無理っすよ!?確率10%じゃないっすか!」

「そこを何とかするのがお前の役割だろ!ほら!始めるぞ!」


先生は5000ドルかけ、数字は5を指定した。そして和也がルーレットを回す。

ルーレットが回っている間、先生そこまで緊張しないが和也の心臓はバクバクであった。外せば確実にボコボコにされる。そして針は徐々にスピードを緩め、4付近で止まりそうになる。4を超え、5の範囲を針は指す。


「よし!いいぞ!そのまま……」

「止まれ止まれ止まれえええええええええ!!!」


先生より和也の方が気合が入っている。必死であった。しかし虚しくも針は5を通り越し6で止まった。


「山本……」


先生の背後から黒いオーラが放たれている。


「むっ!無理っすよ!先生!ちょっと待って!?」


先生は扇子を上にあげ、振り下ろそうとする。和也は叩かれると思い目を瞑る。が、痛みが来なかった。扇子は目の前で止まっていた。


「私もそこまで鬼じゃない。安心したか?」

「寿命が確実に数年は減りました……」


こうして九条先生の最初のカジノは終了した。


「でっ、では私の番ですので、始めますね……」


恐る恐る先輩はルーレットへ手を伸ばし、軽く回す。数周回って針は再び6を指した。

これで先輩も確実にストップマスへ辿り着くことになった。給料日マスで先生からお金を受け取り、先輩は自動車保険には加入しなかった。一連の動作を終え、先輩も分かれ道のルーレットを回す。4の偶数が出て、通常ルートへ進行方向が決まった。先生だけがカジノルートとなった。


「神野までもこちらに来なかったか。まぁいいだろう」

「こう言っては何ですが、少し安心しました……。私、賭け事なんて緊張してばかりで向いてないので……」


先輩のターンはここで終了し、涼介へと順番は変わる。


「俺の番になったので、始めさせていただきます。」


サッと涼介はルーレットを回した。出た数は6。


『宝くじが大当たり。5万ドルもらい、両隣の人に5000ドルずつ渡す。』


「両隣……、ということは先輩と和也ですね。」

「ありがとうございます、矢野君」

「サンキュー涼介!」

「お前、私への嫌がらせか?」


先生は涼介へ5万ドル渡す際、不満を言う。


「仕方ないですよ、偶然なんですから。」

「偶然、ね……」


涼介は5万ドル受け取ると、先輩と和也へ5000ドルずつ渡した。


―――――――――――

ターン13終了時点

和也

職業:スポーツ選手

所持金:16万1000ドル

家:マンション(2万ドル)


九条先生

職業:タレント

所持金:16万1000ドル

家:一軒家(4万ドル)

備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)


神野先輩

職業:三ツ星パティシエ

所持金:15万2000ドル

家:一軒家(2万5000ドル)

備考:子供一人


涼介

職業:有名医師

所持金:24万8000ドル

家:一軒家(5万ドル)

備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)


全員共通:生命保険・火災保険


先頭順:涼介→和也・先輩 先生→カジノルート

―――――――――――

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