第三十二話 部活動・人生ゲームーその7-
ターン9終了時点
和也
職業:スポーツ選手
所持金:4万3000ドル
家:一軒家(4万ドル)
九条先生
職業:教師→タレント
所持金:10万8000ドル
家:マンション(2万ドル)
備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)・火災保険
神野先輩
職業:パティシエ
所持金:6万9000ドル
家:一軒家(2万5000ドル)
備考:子供一人・火災保険
涼介
職業:医者→有名医師
所持金:8万7000ドル
家:一軒家(5万ドル)
備考:子供一人・お宝(宝石:3万ドル)・火災保険
全員共通:生命保険
先頭順:先生→涼介→先輩→和也
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ターン10
「おっと、和也の運の良さに騒いでたら俺の番じゃねえか。俺も今回でキャンプ場抜けねぇとな!」
和也だけまだ分岐ルートを通り抜けてない。と言っても8マス進んでいるので3以上の数が出れば抜け出せる。
「それじゃ、回すぜ!」
4が出た。キャンプ場を抜け、一つ進むと給料日に当たる。和也の家も4万ドルと高いため、火災保険に加入し、給料から5000ドル引いた額が今回の収入となった。そして残り一マス進む。
『カラオケ大会で優勝。5000ドルもらう』
「和也って歌うの得意なのか?」
涼介がふと思ったことを聞く。
「正直歌うの苦手だから、カラオケとかは行かねえかな。涼介は?」
「俺もそういうのはあまり得意ではなくてな。誘われても断ることが多い。」
「良かった……。いっつも居るメンバーで俺だけ歌えなかったらカラオケ誘われても申し訳ないしよ。安心したぜ。」
「俺もだ。」
和也は本当に苦手なのだろうが、涼介はどうなのであろうか。和也は歌うこと自体が苦手だと言っている。涼介は歌うこと自体を嫌いとは言っていないため、人前で歌うのが苦手とも考えられる。そう考えると実際は歌は人並み程度、もしくはそれ以上と意味は取れる。
和也は先生から5000ドルもらい、自身のターンを終える。
「私の番だな。矢野、お前とはここから差を付ける!」
先生は半分真面目に、もう半分は楽しんで取り組んでいる。楽しんでいるのはただ単にゲームが面白いからであるが、真面目になっているのは最強と思える自分の生徒を倒したいと思っているからである。
先生は涼介と違い、職業を変えた後給料日マスまで移動している。ルーレットを回す前のこの時点で4、5マス差ができている。お互いその差を把握した上で先生はルーレットを回す。出た数字は7とそこそこ大きい。
「一気に差が10マス以上になりましたね」
「そうだな。私が小さい数字を出したときに追いつくしかないな。それで、私の着いたマスは……」
『エベレストの頂上まで上り詰めた。記念に3万ドルもらう。』
「順調だな。しかし、もらう額が大きいな。周りの損失マスも支払う額が大きい。終盤になってきたからか。」
先生の言う通り、終盤に近付くと言うことはプレイヤーの持っているお金が貯まってきているため、差を広げるために収支の金額を大きくしているのだろう。
「私の番ですね。そろそろ私も決定的なアクションを起こさないと……!」
期待を込めてルーレットを回すが、出た数字は1。しかし、転職マスであるため給料日マスへ飛べるかもしれない。
『転職研修。好きな職業を選び、給料日マスへ進む。』
「好きな職業、ですか……」
好きな職業と言っても、空いている職業でなければならない。タレント、医者、スポーツ選手。医者はグレードアップしていても選べない。先輩は先生から渡された残りの職業カードを見るが、パティシエより高い給料の職業が残っていない。
「先生、私今回転職いたしません」
「わかった。そうすると、給料日マスまで進まないから今回はその場にとどまるぞ。」
「ではこのマスに留まります。お次、矢野君どうぞ。」
「わかりました。」
涼介は腕を伸ばしてルーレットを回す。もう一度10を出せばさすがに変な意味で盛り上がってしまうので、10は出なかった。いや、出さなかった、のかもしれない。だが出た数字は8と十分に大きい。
涼介は職業をグレードアップしたため、まだ転職ゾーンに駒がある。8もあればさすがに転職ゾーンを抜け出せた。抜け出し、まず、給料日マスがあったので先生から給料をもらう。6万もあるので、涼介は受け取る際、先生から「チッ」と舌打ちされた。残りの数字分駒を進める。
『スキャンダルが発覚した。ルーレットで出した数×5000ドル払う。』
「最低でも5000ドル失っちまうのかよ。」
その恐ろしさに和也は畏怖する。
「私のタレントと真逆だな。さぁ回せ。」
先生に「回せ」と指示されたため、涼介は再びルーレットを回す。出た数字は1であったため、5000ドル失うことになった。
「1でしたので、5000ドルお渡しします。」
「お前、本当に運がいいな。それとも運じゃない要素が絡んでたりしてな?」
「……。」
「えっ、涼介なんか手品とかズルみたいなのしてんすか?」
「馬鹿は黙ってろ。ほら、お前のターンだ。」
「あっ、うっす。」
和也がルーレットを回すとき、先生は涼介に「フッ」と笑みを見せる。
(少しやり過ぎたかもしれんが、まぁいいか)
自分の行ったことを涼介は気にせず、先生の目線を目を瞑ることで遮った。
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ターン10終了時点
和也
職業:スポーツ選手
所持金:8万3000ドル
家:一軒家(4万ドル)
九条先生
職業:タレント
所持金:13万8000ドル
家:マンション(2万ドル)
備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)
神野先輩
職業:パティシエ
所持金:6万9000ドル
家:一軒家(2万5000ドル)
備考:子供一人
涼介
職業:有名医師
所持金:14万2000ドル
家:一軒家(5万ドル)
備考:子供一人・お宝(宝石:3万ドル)
全員共通:生命保険・火災保険
先頭順:先生→涼介→先輩→和也
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ターン11
今回、和也が出した数は5。
『美容師になる。給料は2万ドル。気に入れば転職し、次の給料日マスへ進む。』
「給料って今の半額じゃねえか……。っていうか、グレードアップしない限り給料が高い職につけねぇな。先生、俺も転職せずここで止まります。」
「なら私の番だな。」
先生が出した数字は2。
「ちっ、まぁここまで上手くいっていたからな。今回の2は仕方なく受け入れてやろう。」
受け入れると言っても先生は渋りながら駒を2マス進めた。
『スピード違反で逮捕。1万ドル払う。』
「何っ、罰金だと!?」
「運のツケが来たのかもしれませんね。」
今回先生をイジったのは涼介であった。
「うるさい!まぁまだ許容範囲だ。」
先生は少し怒りながら1万ドルを払った。
次の先輩の番になる。また「失礼します」と一言添えて始める。ルーレットを回し、出た数字は7。
『現在の職業をグレードアップする。給料日マスへは進まない。』
「やった、グレードアップ!パティシエのグレードアップと言いますと……」
「三ツ星パティシエだな」
先生がカードを先輩へ渡す。三ツ星パティシエの給料は4万5000ドルとなっている。パティシエから2万ドル分給料が上がっている。
「ありがとうございます。ではグレードアップして今回の番は終わりますね。」
「先輩、良かったですね。では俺の番なんで、ルーレットを回します。」
涼介が出した数字は7。止まったマスの内容は……
『女の子が生まれる。お祝い金をみんなから2000ドルずつもらう。』
「お前、また子どもなんか作ったりして……」
「変な言い方をしないでください。ゲームのイベントの一環です。」
涼介はみんなからお金を受け取り、6000ドル増えた。
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ターン11終了時点
和也
職業:スポーツ選手
所持金:8万1000ドル
家:一軒家(4万ドル)
九条先生
職業:タレント
所持金:12万6000ドル
家:マンション(2万ドル)
備考:お宝(アルビノ昆虫:2万5000ドル)
神野先輩
職業:三ツ星パティシエ
所持金:6万7000ドル
家:一軒家(2万5000ドル)
備考:子供一人
涼介
職業:有名医師
所持金:14万8000ドル
家:一軒家(5万ドル)
備考:子供二人・お宝(宝石:3万ドル)
全員共通:生命保険・火災保険
先頭順:先生→涼介→先輩→和也
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