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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
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第三話 クラス写真撮影

6組の生徒は下駄箱で上靴を靴に履き替え、中庭に集合した。

写真を撮り終えたらその場で現地解散となるため、生徒たちは荷物を持って行き、隅の方に荷物をまとめて置く。


中庭はいくらか存在するが、クラス写真を撮る中庭には桜が咲き誇っており、写真を撮るには絶景となり得る場所であった。この季節であれば花見もできるであろう。


生徒たちは出席番号に横10人、縦4列に並ぶ。

最前列は椅子に座り、その後ろ2,3列は前の列の生徒と生徒の間に顔が出るように並ぶ。

一番後ろの列は設けられた台に立って並ぶ。なお、担任の九条先生は最前列のど真ん中へ座る。

副担任は複数のクラスを受け持つので、写真には入らない。故に8組の集合写真に入る大人は九条先生だけとなる。


「お前ら並んだか?写真撮る少しの間なんだから居心地悪くても我慢しろよー」


九条先生は後ろを左右に振り向きながら確認を取る。


「涼介って、思ったより背ぇ高いんだな。」

「何言ってんだ、和也の方が高いじゃないか。」


涼介の身長は約175センチ。それに比べ和也は180センチは超えている。この5センチの差は思いの外、認識的に大きな差を生む。


「いいですか~?では撮りますよ~?」


カメラマンが確認を取ると「3、2、1、はぁいポォ~ズゥ~」の合図でシャッターを切った。最後の謎の言葉に少なからず生徒に笑みが浮かぶ。良い写真を撮るために、こういった何気ない笑いを取ろうとするのもカメラマンの仕事なのだろう。

その後、追加で3回ほどシャッターを切り、クラス写真を撮り終えた。


「よし、この場で解散とする。校内を散策したり部活動を見学してもいい。ただちゃんと家まで気を付けて帰れよー。以上。」


九条先生が解散の合図を出すと生徒たちは荷物を持って一斉に散らばって行く。


「涼介!時間あるなら一緒に校内散策しないか?」

「矢野君、時間あるなら一緒に校内散策していかない?」

「「あ?」」


和也と福原は全く同じタイミングで涼介に声をかける。

そして2人はお互いににらみ合う。


「ちょっとアンタねー、初日から問題児みたいになってる奴と矢野君が放課後を一緒に過ごす訳がないでしょ?とっとと帰りなさいよ。」


福原は片手でシッシとしながら嫌味を和也に吐く。

それに負けじと和也は反論する。


「何だと!?お前こそ初日から男女二人が一緒に歩いて付き合ってるとか変な噂たてられて迷惑被る涼介の気持ちを踏まえた上でその発言をしてんのか!?」


2人は歯を食いしばってにらみ合っている。

涼介は軽くため息をついて仲裁に入る。


「じゃあ三人で行こうじゃないか、目的が一緒なんだから。今後俺にとって二人は大切な友人になり得るのだから、喧嘩はしてほしくないな。」


涼介の言葉に二人は少し不満を持ちながらも納得する。


「仕方ない、しょうがないからアンタとも一緒に行ってやるわよ。でも勘違いしないでよ?私は矢野君と一緒に行くわけでアンタと仲良くする気なんてないわよ。」

「お前はそうやっていちいち余計なことを……!」


(はぁ……これからは少し騒がしい日常になりそうだな。)


涼介はそう思い、歩み始め、また二人の仲裁に入り三人で歩き始めた。

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