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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
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第十六話 体力測定ーその5-

体力測定編の完結です。

よろしくお願いします。

午前中の測定を終え、女子たちは教室へ戻る。

すると教室の奥の方で男子たちが小さな円になって昼食をとっている様子を見る。男子は男子で親睦が深まったのを女子たちは察し、逆に男子たちは女子たちが朝の様子とは逆に賑やかに話しながら戻ってきたのを見て、距離が縮まっているのを悟る。お互いがお互いの空気を邪魔するのは悪いと思い、女子たちは男子たちとは逆の、廊下側の方で団をとりはじめる。

女子たちが教室に入って来たときは男子たちの話は一瞬止まったものの、女子たちが自分たちと同様に集まって昼食をとりながら話し始めると、男子の方も話が再開する。

ここで異性の話をするとお互いに気にしてしまうため、男女ともに趣味の話や部活動の話に戻る。

そうして昼食の時間は過ぎ、午後の測定時間へと移行する。


男子は午前中は体育館内で測定したため、午後は残りの外の種目を測定する。女子は逆に、体育館内で測定する種目が残っているようだ。生徒たちは速やかに測定場所に移動する。


午後になると、春らしく気温は少し高くなっていた。市原は先に1500メートル走をすると全員疲れてしまうのを考慮し、測定順をソフトボール投げ→50メートル走→1500メートル走の順にした。市原の気遣いに男子たちは優しさを感じ、男子からも市原の評価は上がる。


最後の測定を終え、暑い中外で走った男子たちは皆汗をかいている。

各々が「疲れたー」「あちぃー」などと声を漏らしながら制服に着替えるために更衣室へ向かう。

男子同士の距離感が縮まったおかげで更衣室内では「誰か汗拭きシート持ってないかぁ?」「俺が一枚分けてやるよ」という具合に気遣いができていた。

涼介は和也に「使うか?」とシートを渡され「ありがとう」と礼を言い、受け取る。

制汗剤を持っている生徒が持ってない生徒に供給することで、全員汗だくだった先までと一変して清潔感を取り戻し、制服へ着替える。

着替え終わり、男子全員教室に着くと教卓の方に市原が現れる。


「みんな、今日は協力してくれてありがとう!おかげで、こうして速やかに今日を終えることができたよ!それだけじゃなくて、みんながみんな、仲良くなれて嬉しく思う!このまま放課後はみんなとご飯にでも行きたかったけど、明日は模試だから食事はまた今度にしよう!」


模試という単語が出ても男子たちは気にせず、市原の言葉に感銘を受け「おぉー!」と手を伸ばす。和也は手を伸ばしているが、涼介は教室の後ろの方で軽く微笑んでその様子を眺めている。


市原が「じゃあまた明日!」と言い、高橋と二人で帰り始める。他の男子も今日で親しくなった人同士で帰宅する。体力測定のペアがキッカケで仲良くなったのであろう。男子が教室を出る一方で、女子が更衣室から戻って来る。涼介と和也が帰る準備をしていると瑠美も荷物の整理のため、涼介の隣である自分の席へやって来る。


「ねぇ涼介君、よかったらまた一緒に帰らない?」

「あぁ。構わないよ。行こうか和也?」

「うっし帰るか!」


瑠美は涼介を誘っおり、和也の名前を出してはない。だが、和也も一緒に変えることに突っ込むとまた面倒くさい言い合いになってしまう。そのため瑠美は和也も一緒に帰ることには黙認している。

三人が動き始めると青山が「私も一緒に帰っていいかな?」と言いに来た。三人は快諾し、四人で下校することとなった。女子二人が入部する日は近いため、四人揃って帰宅する機会はもうあまり無いのかもしれない。


四人で校門を出て、緩い坂を下り始める。和也だけが自転車通学らしく、一人だけ自転車を押しながら歩く。今回の下校で青山は涼介や瑠美と同じく電車通学であること話した。体力テストで疲れているはずなのだが、瑠美を筆頭に元気よく話しながら帰る。


「涼介君たちは、体力テストどうだったの?」

「俺はまぁまぁかな。でも和也はすごかったよ。総合評価Sなんじゃないか?」

「集計したら、ばっちしSだったぜ!」


各種目の記入はペアの相方が記入するが、合計点数は自分で計算して記入しなければならない。そのため、総合評価は例え相方であっても相手の点数を計算しなければ分からない。


「へぇ、伊達に筋肉馬鹿やってる訳じゃないのね」

「筋肉馬鹿じゃねぇよ!」


瑠美の和也へのいじりに青山はクスっと笑う。


「そういうお前たちはどうだったんだよ?ヒカリちゃん地図渡されて少し面倒事じゃなかったのか?」


和也が青山に聞くと、青山は笑顔で答える。


「初めはそう思ったけど、瑠美ちゃんが支えてくれたし、それにクラスの子たちと仲良くなれたから良かったよ!」

「そりゃ良かったな!俺たちも市原のおかげでまとまりができたもんな、涼介?」

「そうだな。アイツが頑張って雰囲気を作ってくれたからな。」

「へぇ、市原君ってやっぱりただカッコイイだけじゃなくて性格までイケメンなんだ?」


瑠美が市原を感心する。青山も「へぇ!」と驚く。

そして男子同士、女子同士がそれぞれ仲良くなったことを四人は話しながら帰る。

駅に着くと、和也が手を挙げて「じゃあな」と言って自転車をこぐ。三人も別れの挨拶をして駅の中へ入る。

電車が来るのを待っている間、瑠美と青山が親しげに話す様子を涼介は見守り、話を振られると無難に返す。瑠美と青山は三つ目の駅で下車し、涼介は一人になる。と言っても次の駅で涼介は降りるので、一人で電車に乗る時間は短い。駅に着いて家までの徒歩の間、空と雲の色がピンク色になっているのを眺めながら歩いて帰る。

次回からは模擬試験編です。

よろしくお願いします。

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