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完全無欠の青春傍観者  作者: 十六夜烈也
第一章 一年一学期編
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第十四話 体力測定ーその3-

昼食時の、男子だけでの会話です。

よろしくお願いします。

午前中の測定が終わり、昼休みになる。

6組男子が教室へ戻ると、誰もいなかった。女子たちはまだ測定中のようである。

市原のおかげで午前中は効率よく周ることができたため、6組女子だけでなく他のクラスよりも早めに昼食に入ることができた。

男子水入らずの時間ができたため、市原は6組男子たちにみんな一緒に昼食をとらないかと提案する。それに誰もが賛同し、涼介と和也も雰囲気を壊さないために市原の提案を呑む。


市原の席は廊下側にあるため、そこへ集まると廊下に外が丸聞こえとなる。そのため、市原は涼介たちの座る窓際の方へ椅子を寄せてみんなで昼食をとるよう促す。涼介の席から離れている生徒は自分の椅子と弁当を持って集まってくる。いい感じに輪になったところで、市原が話し始める。


「みんな、午前中はお疲れ様。みんなが素早く行動してくれたから午前中は早めに終えることができたよ!」

「いや、直樹が俺らを上手く誘導したからだろ?」


市原の爽やかさとは別の雰囲気で格好が良く見える、つまりは顔立ちが良いイケメン風の生徒が市原を下の名前で呼ぶ。どうやら市原の本名は市原 直樹(いちはら なおき)であるらしい。


「ありがとう孝輔(こうすけ)。さて、みんな!俺はこの場を通して、6組男子親睦会を開きたいと思う!どうかな?」


市原の声に先ほどのイケメン、孝輔という男子が「賛成」というと他の連中も手を上げ受け入れる。涼介と和也が傍観としていると、市原が「どうかな?」と例の爽やかスマイルで訴えてきたので、それに敵わず涼介も「あぁ」と微笑んで返す。



親睦会はまず、自己紹介から始まった。名前や出身中学、入部予定の部活などを言う。

先程の孝輔という少年の名前は、高橋 孝輔(たかはし こうすけ)と言うらしい。市原と同じくサッカー部入部予定とのこと。順番は周り、涼介の番になる。別に部活などを言う必要はないため、名前と出身中学を言い、最後に「よろしく」と添えて無難に終わった。

続いて和也。和也も同じく、涼介と同じような感じで自己紹介し部活は伏せる。和也の鍛えてある体を見て、市原が「何か運動部にでも入るの?」と聞くと「特に絞ろうとは思わないから結局入らない」と和也は答える。

全員が自己紹介を終えると、高橋が次の話題を出す。


「みんなさぁ、このクラスに気になる子とかいる?」


その恋愛話にクラスの男子はのめり込む。誰が可愛いだとか、スタイルが良いだとか。そして瑠美の話題が出る。


「福原さんってさ、運動する姿になると、結構ギャップあっていいよな!」


高橋の言葉にみんな「うんうん」と頷く。市原と高橋の二人が話をコントロールすることで会話が進んでいく。


「そういえばさ、矢野君と山本君って福原さんと青山さんと一緒に昼飯食ってるよな?」


高橋が涼介の方を見て質問する。


「隣の席だからな。友達を作るために隣にいる俺に話しかけてきたんだろう。和也もそんな感じだったよな?」

「あぁ、俺もつまんねぇ高校生活送りたくないから、一応勇気出して涼介に話しかけたんだぜ。」

「席が近いから、そんなこんなで仲良くなったってことだ。」


涼介がそう話を締めると、一同は「羨ましい!」と声をそろえて言う。そしてさらに高橋は踏み込んでくる。


「仲良いだけなのか?お前らって、下の名前で呼び合ってないか?」


高橋の言うさらなる事実にまた一同は「えぇ!?」と声をそろえる。


「ん?友人同士だと、名前で呼び合うのは普通じゃないのか?」

「いや、女子相手だとさすがに付き合ってない限りは呼ばねえだろ?もしかして、お前ら入学早々付き合ってんのか?」


また爆弾発言を高橋は言う。どうやら彼の性格は、和也に似てノリの良いムードメーカーらしい。


「そういうことはしてないな。俺より和也の方が脈ありだろ?」


涼介に注目が集まりすぎているため、涼介は目立っている。その状況を打開すべく涼介は少し意地悪に和也に話を振る。


「おい涼介、そりゃ冗談だろ?あの女とは一生性格合わない気がするぜ。」

「確かに、時々君ら言い合いしてるもんね。」


市原が相槌を打つ。二人の喧嘩が少し目立つとは言え、よくクラスを観察しているな、と涼介は鋭い目つきをする。


「じゃあ青山さんは?」


瑠美との関係を話し終わると高橋は今度は青山のことを聞いてくる。涼介は少し呆れるが、無視するわけにもいかないため無難に答える。


「青山さんは、昼食の時知り合ったんだ。購買で和也が昼飯を買ってくるのを瑠美と待っていたら、一緒に食べていいかと話しかけてきたんだ。みんなの言う通り、瑠美の顔立ちがいいから瑠美と友達になりたかったんじゃないのか?」

「確かにそうかもしんねぇけどよー、矢野君て何気にイケメンだからお前にも用があったんじゃないか?」


高橋の言う通り、涼介は一般基準では顔立ちは良い方である。人前では極力静かにしているため、無口な顔、真顔が第一印象になる。素で格好良いため、真顔でも涼介がモテる可能性はあるだろう。加えて身長は175センチとまぁまぁ高い。変に誤解を生みだしたくないため少し笑顔を添えて無難に喋る彼は、高橋と同じく好青年と言える。


「俺なんか、高橋君に比べたらそうでもないよ。なぁ皆?」


顔の良さの話題になり、自分より高橋に注目を浴びさせるため涼介は男子たちに話を振る。


「今まで触れてなかったけど、高橋君って結構イケメンだよな!」

「俺初めて見たとき女だったら惚れてるって思ったわ!」

「そういえばクラスの女子って高橋君のことよく見てたり、話しかけたりするもんなぁ!」


男子たちは高橋の話題に転じ、涼介はうまく話を逸らせたことに安堵する。


熱中して話していたが、女子たちの声が廊下から聞こえてくる。その声に皆は気づき、昼食を食べ進めることにした。


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