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パトリオット  作者: 岩捲氏信
2/6

アルバニアへ

カンボジアの一件を回想した自分に訪れるつぎの任務。

主人公は、ある選択を迫られるそれが歪さを加速させていく。

私は信心深い人間ではない。

はっきり言ってリアリストであると自分でも理解している。

タバコの話から昔の事を思い出しているとスマートフォンが鳴った。

非通知の呼び出しだ。

出てみると、夏目大佐だった。

曰く「佐々木と一緒に首相官邸へ来るように、正体がバレぬ格好をして1時間後に来い」との事であった。

新たな任務に関するブリーフィングであるだろうと、ぼんやりと考えていた。

佐々木に「夏目大佐から呼び出しだ、軍服なんて物は着けずカジュアルでいいらしい1時間後だから急いで行くぞ」

と伝え私も、着替えることにした。

一番無難な白のシャツに紺のジャケットで行く事にした。

ブリーフィングと言ってもこの国のお偉い方々が、雁首を揃えて待っているのだから第1種礼装や軍服であった方が気を使わずに済むのだが、軍服や礼装には階級と名前が書いてあるため正体がバレる為もってのほかである。

「つくづく思うが我々なぞ見られてる訳がないのになぁ」

平和ボケをしたこの国で、私達なんぞ異質な存在ではあるが、普段通りの生活をしている限り注目を集めるほどのものではないだろうに。

と心の中でごちながら準備を整えた。

私達は基本的に家を持たない。

ホテルの様な民宿のような場所で呼ばれる時を待つ。

私達の滞在場所は首相官邸へは地下鉄で15分、徒歩で5分の所にあった。


今、私達が住んでいるこの祖国には不確定要素かつ、緩やかな侵攻、侵略が行われている。

政府はそれを必死に、なって解決いや、隠蔽しようとしている。

前までの仕事の多くは国連などの要請を受けたモノであったが、祖国を標的としたテロリズムやデモなどを画策する者の処分なども含まれるようになってきた。

島国であるこの国は、隣接する脅威から海という壁が、何千年と守ってきた。

しかし、ライト兄弟の有人飛行が可能になって以降の世界はとても狭くなった。

私達はジョブキラーであるが、パラミリの様な準工作担当官が行う拉致監禁拷問などを専門的に行う事はこれまでなかった。

しかし、昔のアルカイダやレジスタンスの様な共通のイデオロギーによるテロリズムではなく、近年のテロリズムはイデオロギーが不規則となり理由なき、テロリズムに国家は悩まされていた。

共通のイデオロギーがあった頃はまだ、事前にどう行った場所が攻撃されやすいかとか、誰を標的にするかという事が大凡ではあるが、判断する事ができた。

しかし、近年のテロリズムには個人的思想の他にあやふやな実態のないただの言葉としてのイデオロギーが原動力となっている場合が多くそのためか、目的や目標を政府は予想出来ずにいた。

その中でも我が国は圧倒的にCCTVが少なく、2度も戦争をしておきながら過去の遺産としか民衆は思っておらず、頭の中にはさぞ、ベルサイユ宮殿もビックリする程の壮大なお花畑が咲き誇っている。


そんな事を思っていたら、首相官邸に着いてしまった。

セキュリティゲートでMPに止められ、目の前に指紋と網膜をスキャンする端末を置かれた。

2つとも生体スキャンが終わると中の通路へ通された。

我々の会議する部屋は地下1階の真ん中の会議室のらしい。

途中の部屋には「東シナ海における朝鮮半島の侵略対策室」や「中東における人道的危機についての会議」など世界中の争いごとについて話し合われていた。

結局最前線に立っているのは私達、特殊作戦群の人間なのだが。

我々2人が入る部屋には「アルバニア国境における人道危機緊急対策室」と書かれていた。

扉を開けると、奥には内閣府官房やどっかの省庁次官やお偉いさんが雁首を揃えて白人男性が拘束されて尋問を受けている最中であろう映像を映すモニターを眺めていた。

我々が入った瞬間に、全ての目がモニターから私達2人に集中した。

一瞬であったが、気味が悪かった。

「君たちこちらへ座りたまえ」

我々の直属の上司である夏目大佐が我々に席を用意してくれた。

「これで、全員が揃われましたね今回の任務は、アルバニアにおける人道危機、つまりは諸外国の紛争によって祖国を逃げてきた人々が密入国するため欧米の玄関口としてアルバニアが利用されている件についてです。

この際、女性は少なからず性的虐待を受け、男性は拷問を受けて金品の略奪を受けている場合も多く日々治安が悪化しています。」

内閣府官房が説明を始めた。

「今映っている彼は、フランス国籍ジェーン・ファリダット国連難民高等弁務官でした。彼は国連から任務を受け、現地にて難民がどうなっているかアルバニアにて現状を調査する事になっていましたが、アルバニアマフィアによって買収され、その後国連難民高等弁務官で有りながら、平和維持活動と称した人道危機を進めてきた男で有ります。途中からですが、尋問の映像を皆さんにみていただきたいと思います。」



ジェーン「これは、どういう仕打ちだ?」


質問者 「貴方はアルバニアにおける人道危機に対する罪によってアルバニア政府に委託を受けた我々現在拘束されております。我々がアルバニア政府との間に交わした契約内容にはジュネーブ条約を遵守する項目も含まれています。我々が、アルバニア政府に引き渡すまで、貴方が暴力的状況に陥らない限り我々から不当な暴力を受ける事はありません。」


ジェーン「すでに暴力だと思うのだがね。私が何をした?難民高等弁務官として困っている彼らの実情を世界へ発信するための手助けをしていたでは無いか。」


質問者「そうですね、この暴力は国際的に承認された武力の行使であります。我々の情報では貴方が送ってきた情報の10倍は強盗や殺人、強姦、拷問などが起きているとレポートとして上がってきています。また、アルバニアマフィアと手を組み違法薬物を流通させているとの情報も既に入手しております。」


ジェーン「国際機関の一員であるが故にか?私の目に見えた事件を全て報告したまでで、見えない所など知らないし、アルバニアマフィアについては初耳だ」


質問者「そうですね、国際機関に勤めていた貴方ならその意味がお分かりでしょう。既に証拠は貴方の携帯やラップトップから抑えています。」


ジェーン「証拠?そんなモノなどあるはずが無い」


質問者「貴方が所有している口座や親族が所有する口座を全て調べさせていただきました。

一定の金額が、貴方の母方の叔父マイケル・ファリダットに振り込まれていますね?これは彼が持つ会社への出資扱いで毎月振り込まれていますが、実際はアルバニアマフィアのペーパーカンパニーから振り込まれています。」


ジェーン「それと私に何が関係あるのだ?、叔父には申し訳ないが何十年も会っていない。顔も思い出せないよ」


質問者「そうですか。では、このラップトップのメールアドレスになんの意味があるんですか?

mike.1983freedom@kingdom.com

これは、一見すると何も無いですが1983年マイケルジャクソンがスリラーでグラミー賞を取っています。貴方は良くビリー・ジーンが好きだと職場で漏らしてたそうじゃないですか。」


ジェーン「確かにマイケル・ジャクソンは好きだがこれはこじつけでは?」


質問者「このメールアドレスを受信した人間を衛星解析により、フランス中部のヴェズレーに住む人物だと断定する事が出来ました。TORブラウザを使っていた様ですが途中から、我々のサーバを経由する様にしていたので、会話内容も全部記録しております。」


ジェーン「確かに私が、メールを送っていた相手は叔父だ、認めよう。だが、私とアルバニアマフィアとの間に直接的な因果関係があるとは証明できていないぞ」


質問者「貴方の銀行口座の入金履歴を拝見させていただきました。マイケル・ファダリットから毎月2000ドル振り込まれていますね。これについての経緯を教えてください。」


ジェーン「これは私が叔父に貸した投資金の月々の返済だよ。」


質問者「そうですか。これはアルバニアマフィアからの分配金ではないと。」


ジェーン「そうだ、私にかかっている嫌…ブッツ



いきなりモニターが消え、部屋全体が明るくなった。

「今回お二人にしていただきたいのは、ジェーン・ファダリットに分配金を納めていたアルバニアマフィア、通称メンフィスと呼ばれるボスについて調べていただきたいと思います。」内閣府官房が説明した。

夏目大佐が、「既に加藤、中村は現地に2週間前から情報を集めてもらっている。詳細は明後日10:00に、基地で会って説明しよう。」と言った。

佐々木や私が加藤や、中村が先に現地で情報収集している事を知らなかったので、とても驚いた。

「今回のケースは余りに状況が掴めないため、逐次報告をお願いします。」

内閣府官房が念を押すかのようにいった。


我々2人はこの気分が重いサディスティックな、部屋を後にした。

少なくとも、明後日からアルバニアで、現地マフィアのボスの事について調査するとなると億劫で仕方がなかった。

私と佐々木は、アルバニアには何があるかな、などと他愛のない話をしながら帰った。

何か嫌な予感はするが、帰宅してからシンハーを飲んでいたら考えるのを辞めてしまった。

途中、イギリス行ってビール飲んで死にかけたのでロンドンとかノリッジとかリーズとか行った都市も混ぜます。

もちろんカンボジアも行った事ありますよ⭐️

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