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その後の後始末

ここで新キャラ登場予定です。

ゴッド・キルと同じく、ミウに関係があるのかも?


とてつもない緊張感が彼らを苦しめる。

その重く濃密な一言一言に汗が止まらないし、

立っているだけで氷詰めにされたかのようだ。

ここは法廷。

ミウ達を裁く、上位裁判官の元。ゆっくりとジャッジが下された。


さかのぼる事、少し前。西部隊レッドライ騎士団の元に一つの通知書が届いていた。

封筒の厚さがいかにも重要機密事項染みた印があることから察するに、前日に起きた事件についてだろう。

ロックはナイフで封筒を開けてから数瞬、「ハア!?」と怒号を轟かせた。

「どうしたんですロック隊長?」

仕事場の隅にいたリンバラが顔を覗かせてくる。

それにロックは前髪をくしゃくしゃ搔いたのち、書類をリンバラに見せた。

「これって、今まで王都で起きた悪魔達の事件表じゃないですか。しかもその責任者がロック隊長にミウさんにこのリンバラになってるじゃないですか!!一体どうなってるんです?書類ではまた後日、法廷で取り調べって・・・・・」

「だが要するに、法廷で取り調べするってならこっちから出向いてやろうじゃないか!きっとこれは間違いだったと証明しとやるさ」

「そうですね。いくら法廷で取り調べと言っても、即逮捕や判決を下すことは出来ませんもね。当日、伺いましょう!」


『・・・・・』

「妙ね」

「ああ、確かにその通りですね」

「何だか、ピリピリしてる感じでしょうか」

ミウとロックとリンバラが当日、法廷を訪れて待合室で辺りを見回してのことだ。

法廷の裁判所内とは言え、ミウ達を見る異常なまでの視線や殺気。ヒソヒソと話す声には皮膚を針で刺されたかのような感覚に陥る。

「これは只では帰してもらいそうにないな」

ロックが懐から杖をそっと抜き出して、右手首に杖の先端を付けて小さく光った後、杖をしまった。

すると。

(聞こえてるかみんな?)

((!!))

(この魔法は人の心と心の架け橋となる魔法だ。こういった緊急時にはこの魔法が有効だ)

(確かにその通りですね、ロック隊長。無闇に話し込むよりもこうやって静かに振る舞ってる方が相手も油断しますし)

(そうね。再び裏で何かしらの陰謀が動いているのは間違いない無さそうね。でも、これからどうするつもりなの?私達は東部隊西部隊隊長副隊長なのよ?逮捕されることがなくても何かしらの圧力で本当に最悪の自体に陥る場合も・・・・・・)

(ああ、だから。ここにいるみんなに聞いて見ようじゃないか。心と心の架け橋としてね━━━━━━━言え《セイ》!)

瞬間、辺りの空気がずっしりと重たくなる。

時間が止まったかのように人々のざわめきだけが鮮明に聞こえて来る。

    ざわ ざわ

あの方が事件を掌握してるってよ    うわぁ

  まあ、可哀想に・・・・・       ざわ ざわ

 あの方に目をつけられたら手遅れだな ざわ

   あの方に逆らったらどんな目に遭うか

ざわ   ざわ      関わらないようにしようと

 ざわ    ざわ  判決が見物だな    ざわざわ

ざわ



瞬時に魔法の効果が切れる。

三人は唖然としながらも互いに顎に手を添えた。

「あの方・・・・・それが、ことの真相か?」

「どうなんでしょう、ミウさんはどう思います?ん、ミウさん?」

「・・・・・・・ッッ!」

ミウさんは何故かそれ以降、法廷に呼ばれるまで口を聞いてくれなかった。



ゆっくりと扉がぎこちなく開く。

ロックとリンバラは冷や汗をかきつつ中に入るも、ミウだけは

どこか浮かない顔をしていた。

法廷にて三人は身を寄せ合いながら前を仰ぎそして━━━━━

玉座にコツコツ勇ましく優美に髪を靡かせ。

ふんぞり返った女こそ・・・・・

「お義母様・・・・・!!」

『えっ?』

「久しいのぅ。ミウ。主もここに呼ばれた事は察しが付いておろう。例の悪魔とグレイによる暴動騒ぎについて・・・・」

「・・・・」

それに反発するように、リンバラがポニーテールを揺らしながら

意義を唱えた。

「あの、裁判官・・・・いえ。お義母様!あなたがミウさんの母親にというならば。何故、こうも大がかりに・・・・私たちは事件解決に━━━━━━」

「戯け、小童。確かに主の言い分も分かる。じゃが、事件解決に導いたのは他にいる。そうじゃろ?ミウ」

「・・・・・はい、恐らくですが。あの場には間違いなくループエンドの囚人、ゴッド・キルが関与している可能性が高いです」

「ゴッド・キル?ミウさん、それは一体・・・・」

「じゃから、主達をこうして招いた訳じゃ。こうでもしないと立場上怪しまれるからのぅ。なので、ミウ。主はループエンドへと二人を案内し。ゴッド・キルの手がかりを掴んで来い。よいな?」

「はい、お義母様・・・・・」



「にしても、良かったんですかぁ~?娘さんにあんなヒドイ対応しちゃって?」

「そうそう、あれはやりすぎたよね?」

ミウの義母。ミツ・ジャスティス・ミウは周りでじゃれ合う蟲の妖精。オーム・フェアリーを従えながら頷く。

確かに今の対応はミウに取っても周りにいた仲間にすら悪印象だったろう。

けれども、どんなに嫌われようとも子を守るのが親の流儀。

それは‘ヤツ’とて同じか。

「それに!私たちが放し飼いにした蟲さんたちによるとあそこには元貴族のリークやその他囚人しかいないはず・・・・・もう彼はループエンドを脱獄してますよぉ?」

「ふ。分かっておる。だから向かわせたのじゃ。ミウも━━━━━一端の大人になった、ということじゃ。真実を知るには丁度よかろう。な?自称神殺しの父よ・・・・・・」



                次へ



























































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